科学的根拠のない「極めてお粗末な政府の対応」〜再延長になった緊急事態宣言

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月31日放送)に朝日新聞編集委員で元北京・ワシントン特派員の峯村健司が出演。緊急事態宣言が6月20日まで延長されたニュースについて解説した。

池袋東武、臨時休業の告知=2021年5月28日午後、東京都豊島区 写真提供:産経新聞社

緊急事態宣言〜6月20日まで延長

政府は5月28日、新型コロナウイルス対策として9都道府県に出されている緊急事態宣言について、5月31日までとなっていた期限を、沖縄県への宣言と同じ6月20日まで延長することを決めた。また、5つの県に出されているまん延防止等重点措置も同様に延長。

飯田)6月20日まで延長、どのようにご覧になりますか?

峯村)これでゴールポストを動かされたのは2回目ですよね。正直もう、いい加減にしてくれというのが一市民としての本音です。私の行きつけのレストランなどでも、本当に潰れるかどうかと危機感を感じている店が多いです。「6月からはお酒を出す」と断言されているところもありますね。

飯田)もうこれ以上はできないと。

科学的ではない、極めてお粗末な政府の対応〜科学的根拠のない飲食店への制限

峯村)協力金のようなものも出ないとなると、本当に食べて行けないというところまで、皆さん追い詰められています。そもそも、「5月末まで」ということで皆さん、頑張って計画を立ててやって来たのです。これはしんどいですよね。「延長」と軽々しく政府は言っていますが、そもそも見込みが甘いわけです。科学的に分析し、「ここまでにこれくらい抑制すれば減ります」と説明して、それにみんな同意してやっているのに、2度も延長したということは、その見込みが外れたということです。科学的ではなかったということですから、対応としては「極めてお粗末」としか言いようがないですね。

飯田)延長となって、見込みが甘かったですと。「では何が問題だったのか」となると、「政府は完璧な計画を立てたのに、お前たち国民が出歩いて酒を飲んでいるからいけないのだ」というようなニュアンスに感じますよね。

峯村)そのような感じですよね。日本独特のよくない対策として、飲食店だけに狙いを付けて圧力をかけていますが、これは他国と比べてもあまりないケースです。本当にこれで効果が上がっているのでしょうか。「何人以上の会食でクラスターが起きている」というデータがあれば、「3人以下にする、4人以下にする」ということを徹底すればいいのですが、そのようなデータもよくわからない。ざっくりと「酒はダメ」というようなことでは納得できないですよね。

飯田)「きちんと対策をしている飲食店ならば、ある程度お店を開けてもいい」という「山梨モデル」のようなものもできつつありますが、山梨県や千葉市など、本当に一部の取り組みのままですよね。

峯村)一部ですよね。山梨モデルの取り組みは、私はとてもいいと思います。しっかりと科学的に対策を取るというのは大事だと思います。

接種が遅れて日本だけが感染再拡大の恐れも

飯田)諸外国を見ていると、ワクチンが広がるところとの見合いで経済活動も再開できるようになって来る。それがどこまで進んで行くかということですね。

峯村)周りの人も、ワクチンの予約がなかなか取れずに苛立っています。「電話で一斉にかける」というような対応もいかがなものかと思います。先進国のなかでも圧倒的なワクチン接種率の低さなので、気を付けないといけません。ベトナムなどでは新たな変異株が見つかっているので、下手をすると、日本だけ接種が遅れて感染が再拡大するようなことになりかねません。

飯田)官邸は「一生懸命笛を吹いているけれども、なかなか動かない」という、責任の押し付け合いをしているようにも感じます。

峯村)東京都と政府の押し付け合いのようなものはありますが、「そのようなことをやっている場合ではないだろう」というのが国民の本音ですよね。

飯田)これは都議選が近いということも、頭のなかにはあると思いますか?

峯村)あると思います。都議選もありますし、今度は衆議院の方も選挙があるので、政争の具になっているのならば許しがたいことですよね。

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