「経済安全保障」は煙の出ない戦争〜サプライチェーンから強制労働を排除

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月31日放送)に朝日新聞編集委員で元北京・ワシントン特派員の峯村健司が出演。G7の貿易相会合で国際的なサプライチェーンから強制労働を排除することで一致したニュースについて解説した。

習近平氏、清華大学を視察(北京=新華社記者/鞠鵬)= 2021(令和3)年4月20日 新華社/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

G7貿易相会合〜国際的なサプライチェーンから強制労働を排除

5月27日〜28日に主要7ヵ国(G7)の貿易大臣による会合がオンライン形式で開かれ、国際的なサプライチェーンから強制労働を排除することで一致した。

飯田)こちらの経済安保もまた注目されて来ました。

「経済安全保障」は煙の出ない戦争

峯村)そうですね。私も朝日新聞で「経済安全 米中のはざまで」という企画をやっています。一言で言ってしまうと、米中両国はある種の戦争を始めているのです。

飯田)戦争。

峯村)戦争が始まってしまっているのです。戦争というと爆撃機が飛んで、ミサイルなどをドーンと撃つ、というイメージがあるのですが、戦争とは1歩1歩ステップが上がっていくものなのです。「経済安全保障」というのは、経済制裁などを使った「煙の出ていない戦争」とも言え、それがすでに始まってしまっているのです。菅総理の訪米の際も、アメリカや日本の当局者に聞くと、あのときは台湾海峡の安定が注目されていましたが、最も突っ込んだ話をしていたのは、経済安全保障についてだったそうです。

飯田)日米首脳会談で。

人権問題も経済安全保障に〜危機感のない日本企業

峯村)つまり、日本とアメリカが「どのように協力して経済的に中国と対抗するのか」というところです。そうなると、人権問題も経済安全保障の話になります。私は日本企業で講演することも多いのですが、日本の企業は危機感がないことを実感します。「それは大変ですね」という他人ごとのような反応しかしないのが実情です。ウイグルの人権問題などを見ても、国際的に日本の大企業なども名前が上がって非難されています。そこにどのように説明をするのか。コンプライアンスの問題を早急に考えないと、下手をしたら会社自体がこのサプライチェーンから外されたり、不買運動で潰されたり、というフェーズになって来ているということを意識して対策をとるべきだと思います。

飯田)いままでのような経済コストだけでなく、そちらのリスクの方も勘案しなければいけない。

峯村)いままでのような「ミスを起こさないように」というマインドではなく、自分たちから情報収集をして、現在の世界情勢にどう対応するのかを考えなくてはなりません。

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