なぜ3年もかかったのか〜国民投票法改正案成立

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)に元内閣官房副長官補で同志社大学特別客員教授の兼原信克が出演。成立となった国民投票法の改正案について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

国民投票法改正案〜なぜ3年もかかったのか

国民投票法の改正案は公職選挙法に合わせて、憲法改正の国民投票についても、事前に決められた投票所以外でも投票可能な共通投票所を駅構内やショッピングセンターなどに設置できるようにすることなどが盛り込まれている。この改正案について、6月11日の本会議で採決することで与野党が合意し、改正案は提出から約3年を経て可決・成立となった。

飯田)すでに衆院は通過しておりまして、9日の参議院の憲法審査会で委員会としての可決はなされております。3年かかったのですね。これは国民投票の段取りを決める、入り口の入り口ということです。ここから先、憲法改正についての議論が進んで行くかどうかというところにもなると思いますが、どうして3年もかかったのですか?

兼原)改憲したくない人たちが「議論したくない」と言ったのだと思います。憲法は国民のものですから、国民を代表する人たちが、「国民の意見を言わせない」というのはおかしいですよね。国民の意見を聞いて議論すればいいわけですから。

反対の人は必死で反論すればいい〜それを国民に聞かせるのが代議士の仕事

兼原)改憲したい総理大臣が出て来て、負けたら政権が倒れるわけです。やるのであれば必死でやると思うし、反対の人は必死で反論すればいいのです。それを国民に聞かせるのが代議士の仕事だと思います。議論させないというのはおかしいです。

飯田)ぶつけ合うことによって、どこかに妥協点が見出されることもあるだろうし。

兼原)どのような文言にするかということは、まったく議論さえしていないわけでしょう。それはどうかと思いますけれどね。

飯田)自民党は案として出していますけれども、それを削るような形で磨き上げているかというと、議論がないのだからできないですよね。

開かれた場で議論するべき〜それを聞いて国民は自分の意見を持つ

兼原)そうですよね。そして密室の議論はよくないと思います。開かれた場で議論しないと、国民が自分の意見ができるまで1年くらいはかかるのですよ。新橋の飲み屋にいるお父さんは忙しいわけですから、日ごろから考えてはいないですよ。1年くらい、いろいろな意見を聞いて、「自分はこれがいいと思うな」と言い始めたら、それが国民の意見ですからね。1年くらいあれこれと議論するのが代議士の仕事ではないですか。それをメディアが受けるわけでしょう。賛否両論あって当たり前ですよ。やらない方が私はおかしいと思いますけれどね。失敗したらまた変えればいいのです。何回変えたっていいのだから。

飯田)本来は。そのための改正の案件という条項があるわけですからね。

兼原)9条の問題はアイデンティティの問題なので、かなり激しい激突になると思いますけれど、議論しないというのはおかしいと思います。

冷戦から30年〜もう整備してもいい時期

飯田)最近の世論調査を見ると、「改憲する」のか「守る」のかということはありつつ、「議論はするべきだ」という意見が6割〜7割になって来ています。

兼原)昔は体制選択の話があって、「ソ連につくかアメリカにつくか」という議論をしていたのです。

飯田)国内の冷戦みたいなもの。

兼原)国内冷戦になっていて出口がなかったのです。冷戦が終わって30年で、ソ連がなくなって30年ですよ。

飯田)30年。

兼原)中国が強くなり、尖閣に手を出して来て「どうするのだ」という話になっているときに、もう1度議論をきちんとしなければいけないときなのですけれどね。9条1項というのは戦争禁止なので、国連憲章と一緒ですから、これは削ってはいけない理想の条項だと思うのですけれども、2項は敗戦国条項ですからね。「負けた日本を裸にする」と書いてあるのですから。ドイツと日本がやられたのですよ。砂川判決という最高裁の判決があって、最低限やっていいと言われたから、いま持っているのですけれども、もう整備していい時期に来ていると思います。

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