「最低賃金引き上げ」より「経済を浮揚させる」ことが先であるべき所以

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。最低賃金の引き上げについて解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

最低賃金引き上げ〜コロナの影響が焦点に

中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が6月22日に開かれ、令和3年度の地域別最低賃金の引き上げ目安をめぐる労使間の議論が始まった。

飯田)最低賃金の引き上げについての議論が始まったということです。労働組合は大幅な引き上げを訴えていますが、企業側は「業績も悪くなっているし、これは厳しいよ」と。

高橋)厳しいですよね。

飯田)日本は状況が別だと。

最低賃金〜前年の失業率から「どのくらい上げていいか」がわかる

高橋)苦しいですよね。まだ雇用がひっ迫していたらすぐに上げられますよ。けれど、ひっ迫している状況ではなくて、少し緩んでいる状況でしょう。こういうときに最低賃金を引き上げるというのは、少し苦しいかも知れません。最低賃金を引き上げずに、賃上げして行くということで逃げるかも知れないしね。

飯田)「そういう努力をするぞ」というところで。

高橋)最低賃金というのは、あくまでもシンボリックな話ですからね。

飯田)ここから動かすとなると、いろいろなところにハレーションが起こる。諸外国でもそういう例はありますよね。

高橋)最低賃金というのは、雇用環境を反映して、前年の失業率からおのずと「どのくらい上げていいか」の見当がつくのです。そうやるのが普通ですからね。いまの状況では、上げるのは苦しいかも知れませんね。

最低賃金はいまの状況に追いかけて行く部分の指標

飯田)そうすると、最低賃金は状況に追いかけて行く部分の指標であって、ここを動かすことで全体を上げようとすると、いろいろなところで不具合が起こる。

高橋)労働系の人で、「先に引き上げる」と考える人がいますが、逆に結果でやって行った方がいいのです。結果で引き締まって行ったら、「最低賃金を上げて行かないと不都合が出ますね」という感じでやるのです。だから出て来る資料もすべて前年の資料でやるはずです。前年のものでやるから、あまり「引き上げ」という議論になりにくいと思いますが。

中小の経営者にとっても追いかける方がいい

飯田)中小企業の経営をやっていらっしゃる方で番組を聞いている方も多いので、メールやツイッターなどでもいただくことがありますが、中小をやっている方にとって、「最低賃金を引き上げられてしまうと、人が雇えなくなってしまうのですよね」と言われる方が少なくありません。

高橋)最低賃金ギリギリでやっている人もいますからね。こういうものは後追いの方がいいのです。賃金が上がっているときに、追いかけるという形の方が無難です。

ワクチン接種の普及などによって経済を浮揚させる方が先

飯田)その意味では、ワクチンの普及とともに経済が回り出す。そこに向けて経済政策も打って行くことによって、賃金が上がるというサイクルがいいと。

高橋)おのずと上がって来ればね。最低賃金は上がって来てからやった方がいいのです。先取りするというのは、最低賃金にはふさわしくない政策ですけれどね。

飯田)そうすると、まずはワクチン、それから財政出動によって経済を浮揚させる方が先ですね。

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