米中の対立によって機能できなくなったG20〜今後、新興国に迫られるもの

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月30日放送)にエコノミストで複眼経済塾塾頭のエミン・ユルマズが出演。G20の存在について解説した。

20カ国・地域(G20)外相・開発相会合の開催地イタリア南部マテラ=2021年6月28日 AFP=時事 写真提供:時事通信

米中の対立によって機能できないG20

主要20ヵ国(G20)の外相会合がイタリアで行われ、新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した飢餓の撲滅を目指す「マテーラ宣言」が発表された。

飯田)G20という枠組みは、リーマンショック後にできた枠組みですよね。この辺りがパラダイムシフトのなかで変わって行きますか?

ユルマズ)そうですね。ここまで中国・ロシアとアメリカの同盟国が対立してしまうと、G20そのものが機能できなくなります。G20はグローバリゼーションの代表のような組織なので、いまのように米中が対立してアンチグローバル化、ブロック経済の流れになって来たなかで、G20はそもそも論として、機能できません。

新興国の発言権がないのでG20は機能しない〜G7対中露へ

ユルマズ)もう1つの問題として、新興国というのは、新興5ヵ国(BRICS)から始まって、重要な位置を占めるのではないかと思われていたのですが、蓋を開けてみると新興国経済はかなり脆弱なのです。中国はもはや新興国ではないので、それを取り除くと。

飯田)中国を除くと。

ユルマズ)そうなると、結局はG20をつくっても、新興国の発言権がないので、最終的には機能しないのです。もうG20は役割を終えたのではないかと思います。この前のG7の流れを見ると、バイデン政権が来てから、G7といいNATOといい、団結が強まっています。そうすると、あえてG20を通す必要はないのです。

飯田)むしろG7と中露、2つの核になるということですね。

新興国は米中のどちらにつくのか踏み絵を踏まざるを得なくなる

飯田)それ以外の新興国と言われるところは、どちらかに引き寄せられるということですか?

ユルマズ)そういうことです。いままではどちらでもよかった、もしくは、どちらにもいい顔ができたのですが、今後は、中国につくのかアメリカにつくのかと、踏み絵を踏まざるを得なくなります。一旦どちらかのシステムや通信方式を採用すると、もう後戻りできなくなるのです。それを考慮して、日本とアメリカは、中国から借金をしている国を助けて、借金を返せるように動いているところもあります。

関連記事(外部サイト)