西日本豪雨から3年〜注目される「遊水地」とその効果

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月7日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。今後、水害からどのように守るかということについて解説した。

「西日本豪雨被害」冠水した町と捜索活動する自衛隊ヘリ=2018年7月9日、岡山県倉敷市真備町 写真提供:産経新聞社

西日本豪雨から3年

平成30年(2018年)の西日本豪雨から3年となった7月7日、災害関連死を含め33人が亡くなった愛媛県の宇和島市と西予市で追悼行事が営まれた。

飯田)西日本豪雨から3年が経ちました。いまも島根県、福井県、鳥取県などには土砂災害警戒情報が出されていますし、出雲市や雲南市には避難指示が出されています。この時期は毎年ですね。

(※編集部注:2021年7月7日午前現在の情報)

流域治水

佐々木)台風も心配なのですが、近年、言われているのは線状降水帯です。狭い幅のところに雨雲が集中的にやって来て土砂降りになるというものです。いままでの水害対策では間に合わない。今年(2021年)から国が「流域治水」という言葉を使い始めて、一昨年(2019年)の台風19号のときに、利根川水系の渡良瀬遊水地などのように、水を貯めたことで、下流が氾濫しないで済んだということがありました。

江戸時代は田んぼが遊水地として使われていた

佐々木)あのような遊水地を大量に活用しようということです。この前、ある学者さんが提案していたのは、江戸時代までは田んぼを遊水地にしていたのだそうです。そうすると、稲がダメになってしまうのですが、水害が起きるよりはましだろうと。

飯田)町は守られる。

佐々木)農家の方の補償など、いろいろな問題がありますが、ありとあらゆる方法でいろいろなところに水を引き込むということを考えるのは大事なのではないでしょうか。

飯田)先日、熊本の豪雨から1年ということで、RKK熊本放送の徳本記者から話を伺ったのですが、そこでおっしゃっていたのは、球磨川も流域治水でこれからやらなくてはいけないと。堤防の後ろにもう1つ堤防をつくって、遊水地をつくるということをやるのだと言っていました。

自然の猛威からいかに守るか

佐々木)そうすると問題になって来るのは、そのエリアに住んでいる人がいるということです。今後はハザードマップで赤くなっているような危険な地域には、なるべく住んでもらわないようにする。でもいま住んでいる人に「引っ越せ」とは言えないので、そこから転居すれば補助金を出すなど、そういう方向に少しずつ切り替わって行くようですね。人間は人口も減って、都市に人が集まって住むので、あとは自然の猛威からいかに守るかという方向に進んで行くのではないでしょうか。

飯田)その視点は、東京23区でも、荒川区や江戸川区では以前から言われていることです。

佐々木)荒川が氾濫すると、地下鉄に一気に水が流れ込むと言われています。近年、東京メトロも地下鉄の入り口にゲートを立てて浸水対策をしていますよね。

飯田)人の住むところも、そのように考えなくてはいけない時代なのですね。

佐々木)山に行くと熊やイノシシが出るし、人間の生育する場所が狭くなって来るという、予想もしなかった21世紀の新しい時代ですよね。

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