米の6月消費者物価指数5.4%上昇〜一方で「物価の上がらない」日本

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。6月の米消費者物価指数が前年同月比で5.4%プラスとなり13年ぶりの高水準となったニュースについて解説した。

米上下両院合同会議で演説するバイデン大統領(中央)(アメリカ・ワシントン)=2021年4月28日 AFP=時事 写真提供:時事通信

6月のアメリカ消費者物価指数5.4%上昇、13年ぶり高水準

アメリカ労働省が7月13日に発表した6月の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比5.4%プラスとなり、2008年8月以来およそ13年ぶりの高水準となった。原油価格や家賃の上昇に加え、飲食業などの賃金の上昇圧力も高く、高インフレが長引く恐れがある。

飯田)アメリカは高圧経済だということも言われますけれども。

高橋)羨ましいと言えば羨ましいですよね。少しリバウンドすると、それによって賃金も上がって、失業率も下がるのですけれどね。「それとともに物価も上がる」という経済学の教科書のようなところですよね。

インフレ率が2%になってもすぐに引き締めはしない

飯田)直近で5月がプラス5.0%、6月がプラス5.4%ということで、こういう数字が出て来ると「インフレ懸念が」というようなことも言われますが。

高橋)エネルギーと食品のコア指数を見ておく必要があります。エネルギーと食品の場合はぶれるので、コアで見るほうがいいのですが、コアも4.5%に上がっているので、これが続くと「警戒か」という形になるかも知れません。でも、インフレ目標ですが、2%を超えても金融当局の引き締めがなければ、これはこれでということです。当分はしないと思います。「コロナの回復過程」と理解すると、落ち着くところまで見ると思います。

飯田)「金融緩和を長く続ける」ということは、FRBのパウエル議長もおっしゃっていますし、イエレン財務長官も仮に2%に行ったからといって、すぐに引き締めるものではないと。

高橋)2%に行っても、そもそも失業率が戻らないとダメなのです。インフレ率というのは、失業率の裏側で、どちらを重視しているかというと、失業率です。あまりにも「過度に失業率を下げたいがために、過剰なインフレはいけない」というのが、インフレ目標の根底なのです。「インフレ率が2%を超えたら直ちに」と思う人が多いのですが、それは違っていて、本当は労働市場を見てやるのですよね。だから労働市場が完全雇用に近付かないと、なかなか引き締めはしないと思います。イエレンさんもそれはよくわかっています。彼女はもともと労働経済学者ですから。

飯田)そう考えるとアメリカは、まだまだ経済も上がって行く余地もあるしと。

高橋)1〜2年くらいは、そう簡単には引き締めないと思います。

物価が上がらない日本

飯田)一方で日本はというところですね。

高橋)日本は全然、物価が上がりません。「なぜかな」というような感じになってしまいますけれど。高圧経済になってもいいのですけれどね。

飯田)高圧にする圧力のようなものが、まだまだ日本の政府、あるいは日銀は。

高橋)日銀は特にやっていませんね。

飯田)「年間80兆円を目標に」ということを前々から言っていますけれども。

高橋)全然違いますね。この手の話はマスコミ報道がないですし、日銀の記者クラブが書くから、図星を突いたものは少ないですね。

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