韓国はゴールポストを「日韓合意」まで戻すべき〜文在寅大統領が東京五輪訪日で政治的会談を求めるなら

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月16日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。開幕まで1週間となった東京オリンピックについて、また、開幕に合わせて訪日する韓国・文在寅大統領について解説した。

演説する文大統領=2020年09月19日 YONHAP NEWS/ニューズコム/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

東京オリンピックの開幕まであと1週間

1週間後に迫った東京オリンピック開幕に向けた新型コロナウイルス対策で厳戒態勢が敷かれるなか、外国人選手や大会関係者らの入国が本格化している。今週末のピークを前に菅総理大臣は7月15日、水際対策の徹底をはかるため成田空港を視察した。オリンピックで来日する選手・関係者は5万人あまりで、行動規範を定めた「プレーブック」では出国前の96時間以内に2度、入国時に1度の検査を課す。入国後も選手は毎日検査を受けるということである。

開幕に合わせて訪日する韓国・文在寅大統領

飯田)このタイミングで、海外の要人は誰が来るかということも報じられております。

宮家)普通だったら多くの首脳クラスがやって来てもおかしくないですよね。ただ、このご時世ですから人数は限られてしまうかも知れない。それでも各国から相当の方が来られるとは思います。当然韓国の問題がいちばん大きくなるわけだけれど、韓国は韓国でいろいろな思惑があって来たいのだろうと思います。

飯田)文在寅大統領が。

宮家)お祝いに来てくれるのなら、それはそれで結構なことです。しかし、オリンピックの問題と日韓の政治関係は分けて考えなければいけない。オリンピックという観点から言うと、開会式に各国から要人が来れば、それは歓迎します。外交儀礼がありますからね。何人来られるかわからないけれども、時間が限られているので、表敬になるか、どれくらいの長さになるかは別として、お会いするのは当然だと思います。よほど関係が険悪でなければね。

文在寅大統領が政治的な会談をするのであれば、「2015年の日韓合意」までゴールポストを戻してから

宮家)しかし、韓国であろうがなかろうが、政治的な意味で深い会談をするとなると、それは中身次第だと思います。最終的には菅総理がお考えになって決めることですが、私に言わせてもらえば、どう考えても、ゴールポストを遠くに持って行ってしまったのは文在寅さんですよね。違う人ならまた別ですが、同じ人なのだから、本当に日本と深い話をしたいのであれば、ゴールポストをまずは元に戻しなさいと。少なくとも2015年末の日韓合意のところまで戻しなさい、ということです。合意をひっくり返してゴールポストを遠くまで持って行った人と、「これから深い話をしましょう」と言ったらどうなるかというと、遠くに行ってしまったゴールポストを日本が認めることになるわけですよ。

飯田)そのままやってしまえば。

宮家)それはないでしょう。せめてゴールポストを元に戻して、そこからまたやり直しましょうというのが基本スタンスで、それはオリンピックの儀礼とは別ですよ。そこをちゃんと区別すれば、おのずから韓国とどういう会談をするか、どういう話し合いをするかが見えて来るはずです。もちろん、ゴールポストが戻るのであれば、状況は違うけれども、そのことはこの何年間か日本がずっと言って来たことですから。

飯田)文在寅さんが就任してからずっとそうだし、裁判所の判決もそれに沿ったことが出て来ています。

宮家)そうです。どんどんゴールポストは遠くなっているのですから。「そこはきちんとやってね」というのが日本の一貫したメッセージであるべきだと思います。

二階氏を頼る韓国

飯田)メールもいただいています。“虎のしっぽ”さん、茨城県取手市からいただきました。59歳の方です。「端的に何を話すのか、進展するのか、これは二階さんの存在感のアピールだけなのではないですか?」ということです。

宮家)おそらく、韓国は二階さんに頼っているのだと思います。でも私は韓国との関係をやめてしまえと言っているわけではない。むしろ、日韓関係は維持しなくてはいけないと思っているけれども、それにしても「ものには順序がありますよ」ということです。

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