新たな事業転換のチャンスでもある航空業界〜ANAホールディングスが赤字縮小

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ANAホールディングスが4〜6月期の決算で赤字を前年同期の半分に減少させたというニュースについて解説した。

羽田空港に並ぶ全日空(ANA)の航空機=2021年4月30日午前、東京都大田区 写真提供:産経新聞社

ANAホールディングスが赤字縮小

航空大手のANAホールディングスは7月30日、2021年4月〜6月までのグループ全体の決算を発表した。純損益は511億円の赤字。人員配置の見直しなど経費削減が進み、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年の同じ時期に比べると、1千88億円の赤字からほぼ半減した。

飯田)航空業界、非常に厳しい状況にあるというなか、改善と報じられていますが、どうご覧になりますか?

須田)赤字幅の大きな路線に関しては、飛行機を飛ばさないようにするという状況が功を奏したのかなと思います。そして人件費です。出向などを通じて、人件費の徹底的な削減に努めたというのがこの状況になっているのでしょう。だからと言って、「後ろ向きな」という言い方はおかしいのだけれども、将来的に展望が開けているという感じはあまりしませんよね。

これまでもイベントリスクに直面して来た航空業界

飯田)ここからどう稼ぐかという、「攻めて行く」感じには、まだなれないというところでしょうか?

須田)そうですね。航空需要が回復するには、利益が確保できる、定価で乗ってもらえるビジネス客が必要です。それをどう回復するのかというところと、観光客の回復でしょう。しかし、両方ともコロナの影響が大きくありますからね。航空業界はこれまでもイベントリスクに直面して来ましたので、兼ねてから、イベントリスクを前提に対応して行かなくてはいけなかったのだけれども、今回はあまりにも大きな影響だったために、耐える力がなかったということです。

新しい事業に転換して行くチャンスでもある

須田)しかし、新しい事業へ転換して行くチャンスでもあるのです。利益を出せるようなビジネスを生み出して行くという点では、いいチャンスなのかも知れません。

飯田)航空とは関係のない企業に出向する社員さんも、ANAもそうですが、日本航空からも多く出ていますものね。

須田)先日、中部地方にある大型レジャー施設のオープニングセレモニーの取材に行って来たのです。そうしたら、JALのCAの制服を着た人たちがたくさんいて、夜は真剣にミーティングをやっているのです。何をやっているのか聞くと、大型レジャー施設の宿泊を活用して、ビジネスマナーや接客など、企業研修を受け入れるプログラムをつくり、そこも1つビジネスの柱にしたいのだと言うのです。CAの方々はその辺りに長けていて、ノウハウを持っているではないですか。そういう企業の需要があるところとマッチングさせようとしているのです。

飯田)なるほど。いままで外に出すことを考えなかった宝のようなものは、いろいろなところに埋まっているのですね。

CAと講師を併用して行く

須田)それを日常的にやることによって、あるときは飛行機に乗り、あるときはそういったところの講師として派遣されるということで、人材をうまく活用するという方向に動いているのだと思います。

飯田)なるほど。各企業に出向しているCAさんたちも、資格を維持するためにある程度乗らなくてはいけないので、グルグル回るのですね。

須田)必ずしも、1つの仕事にベタ張りしているということではないのだろうと思います。

マイレージの2倍キャンペーンも行っているANA

須田)加えて、大手航空会社は、お客さんの囲い込みにマイレージを使うではないですか。それをどう維持するのかということに苦心惨憺していて、全日空は7月から9月まで、マイレージのプレミアムポイント2倍キャンペーンを行っています。

飯田)その先も見据えてというところもあるのですね。

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