「ワクチン接種拒否」する人が増えると、新たな変異ウイルスが登場する可能性も

「ワクチン接種拒否」する人が増えると、新たな変異ウイルスが登場する可能性も

接種拒否増で新たな変異型も

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月4日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。緊急事態宣言が発令されている6都府県へのアストラゼネカ製のワクチンの優先配布方針について解説した。

英製薬大手アストラゼネカなどのロゴと、新型コロナウイルスワクチンのラベルが貼られた薬瓶と注射器(イギリス・ロンドン)=2020年11月17日 EPA=時事 写真提供:時事通信

アストラゼネカ製ワクチン、緊急事態宣言の6都府県に優先配布へ

河野太郎ワクチン担当大臣は8月3日、イギリスのアストラゼネカ製ワクチンについて、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されている東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄の6都府県に優先配布する方針を明らかにした。政府がワクチン配布に関し、感染が拡大する地域を優先する方式を採用するのは初めてである。

飯田)原則40歳以上の接種を、7月30日に決定したということです。

9月末には希望者のほぼ全員が接種できる

佐々木)この融通の利くフィックスは素晴らしいと思います。現状、ワクチンがどうなっているかと言うと、8月3日の首相官邸の公式ウェブサイトでの報告によると、総接種回数が大体8900万回、ほぼ9000万回くらいに達しているということです。1回以上の接種者が人口の40%、2回完了者が30%弱くらいです。4割の人が1回目を打って、3割の人は2回目が終わりましたということで、3日の時点で大体170万回です。

飯田)1日あたり。

佐々木)ロジスティクス(段取り)担当の河野大臣が自分のブログで公開しているのですけれど、1日平均150万回くらいで来ています。そうすると1週間で大体1000万回です。毎週1000万回ずつ増えていますから、この調子で行くと9月中には希望者のほぼ全員には行き渡るかなという感じです。9月末までにファイザー、モデルナは分量も確保されているので、問題ないという状況です。

「予約できない」という自治体がある理由

佐々木)一方で、「予約できない」という声をよく聞きます。これが何なのかと言うと、1つは接種が早過ぎた自治体があります。スピーディーにやり過ぎて供給が間に合っていないという需給ギャップがあって、国全体としてワクチンは足りているのだけれども、自治体に配るのには手間がかかりますから、それが間に合わないというところです。

飯田)早く打ち過ぎて。

佐々木)もう1つは、自治体内の接種の仕組みがうまくできていないところがあります。例えば、ある自治体では、集団接種会場の予約はサイトからできるのだけれども、クリニックの予約がなぜかサイトからできないのです。そうすると、クリニックで打つ場合は、それぞれのクリニックに電話をして「空いていますか」と聞かなくてはならず、時間がかかるし混乱するではないですか。それで集団接種会場に予約が集中してしまい、そこがパンクするというケースなど、いくつかのパターンがあります。そうして「足りていない」ということが起きるので、足りない部分にアストラゼネカ製を回すというのは、正しい判断だと思います。

Corona vaccine is being tested. Themed picture, symbolic photo: Corona vaccine. SVEN SIMON/DPA/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

アストラゼネカのワクチンを確保しておいたために、今回のような柔軟な対応ができる

佐々木)アストラゼネカは大量に確保しておいて使っていないので、台湾に送ることもしました。あのときも「余らせるとは何事だ」、「いらないワクチンを台湾に押し付けている」などと批判している人たちがいましたが、そんなことはまったくありません。アストラゼネカとファイザー、モデルナでは方向が違うのだけれど、効果としては正しくいいワクチンですし、アストラゼネカのワクチンを余らせておいたおかげで、今回のように需給ギャップが起きてデルタ株が拡大したときに、「重点的に配布する」という柔軟な対応ができたわけです。ロジスティクス、補給というのは、まさにこういうことです。

飯田)きっちりした分しか用意していないということは、遊びのないハンドルのようなものですよね。

佐々木)きっちり用意できるわけがないではないですか。足りなかったら「足りない」と大騒ぎをして、余ったら余ったで「無駄だ」と大騒ぎをする人がたくさんいるのだけれど、そうではありません。必ず多めに用意しておいて、足りなかったときに重点的に補給するというのは、正しい補給戦のやり方で、「これ以上の対応はないのではないか」というくらいうまくやっていると思います。

飯田)供給制約の部分を開放すれば、1日200万回だって行けるかも知れないのですよね。

佐々木)どちらにしても、全希望者は9月末ごろまでには接種できると思います。

ワクチン接種を拒否する人が増えると、新たな変異ウイルスが登場する可能性も

佐々木)問題はアメリカでもそうですが、「絶対に打ちたくない」と言う人が何割かいて、その人たちがいると感染は増え続けるのです。感染が増え続けるだけで、接種完了者は感染せず、接種していない人に感染が拡大するのであれば、2つの世界が現れて、「打っている人は安心だけれども、打っていない人は大変だよね」というだけで終わるのですが、今回のデルタ株を見ていると、これはインド由来です。なぜインドからデルタ株が出たかと言うと、インドは爆発的に感染が拡がったからです。ウイルスというのは、感染爆発すればするほど変異の可能性が高まる。

飯田)人から人に伝播するときに、遺伝子が少し変わるというのが変異だから、そのチャンスが増えてしまうわけですよね。

佐々木)ワクチンを接種しない人がたくさんいると、その人たちの間で変異が起きる。そうすると、いずれワクチン接種者も感染してしまうような新しい変異株が出て来る可能性があるわけです。

飯田)ありますね。

佐々木)強制的に打たせる方向に進ませないと、抑え込めないのではないかという可能性が出て来ている。実際にCNNがそういう記事を書いています。「このまま放っておくと、必ずワクチンに対応してしまう新しい変異株が出て来るので、ワクチンをとにかく進めるしかない」という論調で書かれています。

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