アメリカに直接交渉できない北朝鮮 次に頼るのは日本の可能性も

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。8月10日から始まった米韓合同軍事演習について解説した。

軍事パレードを閲兵する北朝鮮の金正恩総書記=2021年1月14日、平壌(朝鮮中央通信=共同) 写真提供:共同通信社

米韓合同軍事演習開始

韓国軍は8月10日、アメリカ軍との合同軍事演習を始めた。米韓合同軍事演習は例年、春と夏に実施されているもので、野外での機動訓練は行われず、コンピューターシュミレーションによる指揮所での訓練などが中心となる。

飯田)これに対して北朝鮮は「必ず代償を払うことになる自滅的な行動だ」と非難しています。再開したばかりの南北間の通信ラインも不通となりました。

アメリカと直接交渉したい北朝鮮

高橋)バイデン政権になり、北朝鮮はトランプ政権の方がやりやすかったと思っているかも知れないですね。トランプさんとは一応、話ができましたが、アメリカと話ができないから、どこにはけ口を持って行くのかなと思っていたけれども、韓国に行ってしまったのですかね。

飯田)韓国経由でアメリカと何とか意思疎通をしようと。

高橋)直接のルートもあるはずですけれど。

飯田)国連のルートなどが、いままでは注目されていたりしましたが。

高橋)とにかく北朝鮮はアメリカと交渉したいわけです。

飯田)直接交渉したい。

高橋)直接交渉したい。韓国経由ではダメなのです。だから文在寅さんがいくら言ってもダメだった。直接交渉したいというのが根にありますから、そこにどうやって持って行くか。とりあえず気を引かなくてはいけないということで、いろいろなことを言うのだと思います。

任期の残り少ない文在寅政権の相手は誰もしない

飯田)米韓合同軍事演習も、かつては屋外で大規模に兵員を動員して行う「フォールイーグル」や「キーリゾルブ」という演習がありましたが、大分規模を縮小しているようですね。

高橋)いまやそういう時代ではないのかも知れませんね。

飯田)韓国の文在寅政権が北朝鮮に対して気を遣うような形で、自主的に人を削減しているなどということも。

高橋)気を遣っていますが、文在寅政権も残りわずかですからね。多分、誰も文在寅政権の相手はしないと思います。

18日、ソウルの韓国大統領府で記者会見する文在寅大統領(共同)=2021年1月18日 写真提供:共同通信社

北朝鮮が次に頼るのは日本という可能性も

高橋)北朝鮮が次に頼るのは、もしかすると日本かも知れないなという気もします。

飯田)かつての小泉政権のときも、アメリカからテロ指定され、どこも頼れないと。

高橋)どこも頼りにできないとなると、日本の可能性もあります。どこまでやっているのか私は知りませんが、こういうときに頑張るのが外交なのです。傍目で見ると、北朝鮮は中国の方になびいてしまっています。そういうときにはチャンスと言えばチャンスなのですが。

飯田)拉致被害者を取り戻す。

高橋)もちろん日本独自の話というのは、交渉窓口になると、いろいろなことができるけれど、他の人に頼むのは無理でしょう。トランプさんのように拉致問題に理解のある人というのは稀ですよ。バイデンさんに同じことを期待するのは多分無理だと思うので、日本がこういうときに頑張れるチャンスではあるなと思います。

飯田)これをどうやって活かすか。

高橋)北朝鮮から見ても、文在寅さんよりは、初めての菅さんの方がやりやすいかも知れません。

飯田)前の国家安全保障局長の北村さんはモンゴルルートなど、いろいろなところを模索しながらやろうとしていたということも一部報道が出ています。

高橋)外交努力は、出たらまずいので表に出ませんが、いろいろなことをやっている最中だと思います。ある意味では、日本の出番です。外務省の出番ではありますが、こういうときは外務省でない人も出番かも知れません。

飯田)トップで、というよりも。

高橋)下の方でいろいろなルートでやっていると、ときどき当たることがありますから。

飯田)かつての、小泉首相の電撃訪朝のときは、ミスターXなどと言われましたけれども。

孤立化する北朝鮮

高橋)北朝鮮はいま孤立化していて、下手をすると中国の方にしか行かない。だからいろいろなルートでやってみて、というのはあると思いますが、韓国は難しいですね。任期の短い文在寅さんでは無理でしょう。

飯田)足元を見られている。

橋)それはそうでしょう。金正恩さんはずっと自分がトップですからね。

飯田)そうですね。何か大きな政変が起こらない限りは、ずっとトップ。

高橋)トップだから、すぐ変わる人は無理だと思います。

中国や北朝鮮から見てプレッシャーをかけやすい韓国

飯田)地政学的なところを考えたときに、米韓合同軍事演習、その部分でも大事だという話もありますが、韓国のスタンスが定まらないなかでは、アメリカもその辺りは。

高橋)やりにくいでしょう。韓国の今回の東京五輪に対する態度は「何なの」という感じでした。だからクアッドに韓国は入れないわけです。日米豪印、これがいま安全保障の砦のようになっていますが、韓国は入れないでしょう。だから米国が一所懸命やっているというだけです。中国や北朝鮮から見ても、与しやすいところだと思います。

飯田)ここがいちばんの綻びだよねと。

高橋)だからいろいろなことを言うのです。プレッシャーをかけられるでしょう。今回の演習は机上演習のようなもので、大したことではないのに、ここに言うわけですから。

飯田)確かに、16日から正式演習で、事前の演習の部分で早くも言って来ていると。

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