収まらない感染拡大、東京五輪とのリンクもあるか 〜東京都新型コロナ重症者 過去最多更新197人

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月12日放送)に神戸大学大学院法学研究科教授でNPO法人インド太平洋問題研究所理事長の簑原俊洋が出演。8月11日に東京で確認された重症者数が1日当たりの過去最高を記録した新型コロナウイルスについて解説した。

【東京五輪2020 閉会式一夜明け】国立競技場近くにあるオリンピックシンボルでは、写真撮影などをする人たちが多くみられた=2021年8月9日午前、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

東京都の新型コロナの新規感染者4200人、重症者は過去最多更新の197人

8月11日に全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者、PCR陽性者は1万5800人を超えて1日当たり過去最多となった。また、東京都内では11日に4200人の感染が確認されている。11日時点での重症者数は197人となり、前日に続き過去最多を更新した。

飯田)4200人の内訳を見ると、20代〜30代が2129人となっています。このように数字ばかりが見出しに出て来るという感じは、どのようにご覧になりますか?

簑原)これだけ見ると恐ろしくなりますが、数字というのは、どのような形で提示するかということも大事です。コンテクストですね。「重症者が最多更新の197人」という数字を見ると、「大丈夫なのかな、これから先どのようになって行くのかな」と思いつつ、「死亡者が何人いるのか」という情報が欠けています。先ほど調べたところ、(東京都の)11日の死亡者は2人なのです。もちろん、2人の命は大きいのですが、他方で2021年2月くらいのピークの死亡者数が約40人だったということを考えると、全体的なコンテクストのなかに落とし込む必要があるのではないでしょうか。

感染者数を減らすためには、緊急事態宣言の延長ではなく、ワクチン接種を早めること

簑原)個人的には、新規感染者のうち、「ワクチンを2回接種した人はどのくらいいるのか」ということも知りたいですね。私自身もワクチンを2回接種していますが、感染者の数字を下げるには、新聞の見出しにもありましたが、緊急事態宣言の延長ではなく、ワクチン接種をより早く行うということだと思います。

飯田)65歳以上のリスクが高いとされていましたが、11日の数字から見ても60歳以上の感染者は256人と、全体の数のなかで考えると割合としては相当少ない。この辺りの世代だと、2回目の接種がほぼ7割ほど終わっているということにもなります。そう考えるとワクチンの効果は数字に表れて来ていますよ。

簑原)罹ったとしても重症化しないというのは大きなことですので、ワクチン接種を急いで欲しいですね。

飯田)ワクチン接種の遅れと、それを取り戻すのにどこまでスピードを上げられるのか、この辺にかかって来るということですか?

簑原)そうだと思います。

経済とのバランスも見るべき

簑原)オリンピックが終わり、新型コロナにどうしてもフォーカスしてしまいがちなのですが、他方で私が心配しているのは、日本経済に対する影響はどうなのかということです。国の借金が膨らんでいるというニュースも先日ありました。その辺りの実態はどうなっているのでしょうか。緊急事態宣言をすると、どうしても経済への影響も無視できないと思いますので、この辺りのバランスではないのかなとは思います。

飯田)「緊急事態宣言が出ます」というときは、飲食店などに中継に行ったりして、「こんなに困っています」ということをフォーカスする。他方で、いまのように緊急事態宣言が出続けているなかで感染者数が増えると、そこばかりがフォーカスされる。本来は経済とのバランスを見なければいけない。

簑原)何事もバランスが大事ではないでしょうか。

欧米ではマスクをしない人も多く出て来た

飯田)欧米と日本とでは、報じ方の違いのようなものはありますか?

簑原)東京の次にやるオリンピックはパリではないですか。報道される映像を観ていると、マスクをしない人が多くいます。

飯田)閉会式の映像などでもそうでしたね。

簑原)アメリカの映像を観ると、アメリカでもいまデルタ株で大変なことになっているのですが、「もうマスクはしないよ」という人もかなりいます。平常に戻りたいという気持ちも理解はできます。真夏にマスクというのもなかなか大変ではないですか。

飯田)普通にしんどいですよね。昨日(11日)のように36度、37度まで行くと。

簑原)外したくなりますよね。

東京オリンピックとのリンクもあるか

飯田)その辺のキーとしてワクチンがあるはずなのですが、そこがなかなか。

簑原)オリンピックがあったので、期間中に自粛気分は湧いて来ませんよね。しかも日本がかなり健闘しましたし、金メダルも多く獲りました。そんななかで「普通になって来ているのだ」という気持ちになってしまったのではないでしょうか。その意味では、東京オリンピックとのリンクはあるのかも知れません。

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