なぜこの時期に横浜市長選に出たのか 〜小此木氏を支援した菅総理の不運

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月24日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。菅総理が自民党総裁選に出馬することを明言したというニュースについて解説した。

閣議後の記者会見で横浜市長選挙への出馬について記者団の取材に応じる小此木八郎国家公安委員長=2021年6月22日午前、千代田区永田町 写真提供:産経新聞社

菅総理大臣が総裁選出馬を明言

菅総理大臣は8月23日、横浜市長選挙で全面支援した小此木八郎前国家公安委員長の敗北について、「謙虚に受け止めたい」と述べた。また、9月に予定されている自民党の総裁選挙については、「時期が来れば出馬するのは当然だ」と重ねて出馬を明言した。

飯田)「政局だ」という感じになっておりますが、どうご覧になりますか?

奥山)菅さんは「つくづく運がないな」と言うしかないですね。コロナ禍でオリンピックは何とか成功させましたけれども、緊急事態宣言下に自分の選挙区も含めた地元で選挙をやることになる。

評価されていない菅総理のワクチン接種への貢献

奥山)菅さんはどうしても市長選で負けたというところに話が持って行かれがちなのですが、ワクチン接種などでは成果を出しています。これは23日のデータとして出ているのですが、8月19日までにワクチン接種をした人の回数は1億1000万回超えです。国民の半数が少なくとも1回の接種を行っていて、2回目の接種を終えた人が39.7%。8月中に4割を超える人が2回目の接種を終えるということです。そういう意味では、ワクチン接種のオペレーションを迅速にやっているのですが、その辺りは評価されない。

飯田)評価されませんね。

奥山)トランプ前大統領もそうだったのですが、ワクチン接種のような分野では、なかなか評価されないという部分があります。残念なのは、それで選挙をやって、しかも、ご自分でおっしゃっていましたが、コロナ対策で負けてしまったというところです。

飯田)「1日100万回接種」を目標に掲げたときに「無理だよ」とみんな言っていたのですが、それどころか1日170万回接種まで行ってしまった。もちろん現場の頑張りはあります。しかし、トップが旗を立てて行うということは、危機の事態では有効な戦略になるわけです。

奥山)仕事はしているのです。ただ、それが評価されないという。これはマスコミのせいもあるのかも知れませんが。

飯田)アピール力のようなものもあるのでしょうか。

奥山)そうですね。非常に切ないです。

なぜこの時期に横浜市長選に出たのか〜勝負勘がない小此木氏

奥山)横浜市長選挙は、私も市民なので投票して来ましたが、やはり小此木さんですね。小此木さんと菅総理が近い存在であるというのは皆さんご存知かも知れませんが、小此木さんに勝負勘がない。それに引っ張られてしまったというのは、菅さんはつくづく運がないと思ってしまいます。

飯田)勝負勘がない。

奥山)小此木さんは突然「出る」と言って、しかも前国家公安委員長ではないですか。菅政権にいる方が出て、しかも負けてしまう。「いま出なくてもいいだろう」というところに出て、結局自民票を割ってしまった。もちろん菅さんに注目が集まっている部分はあるのですが、小此木さんは「何で余計なときに出るのか」というところに、「勝負勘がないな」ということを感じました。そういう部下を持ってしまった菅さんというのが、切ないところです。

飯田)この時期に。

奥山)このまま行けば、菅さんは総裁選で再選はされると思いますが、安倍前総理と比べると、「何かやってくれそうだ」というワクワク感のようなもの、いい意味での山師っぽい雰囲気やカリスマ性がない。昔の自民党の1年ごとに首相が変わっていたころの再現というような感じになっているのが、可哀想ですね。

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