歴史的にも対照的なモロッコとアルジェリア 〜アルジェリア、隣国モロッコと国交断絶

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月27日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。アルジェリアのラムタン・ラマムラ外相がモロッコとの国交断絶を発表したというニュースについて解説した。

カビールの山火事〜アルジェリアのカビール地域のベジャイアで山火事から立ち昇る煙。消防士チームが地上と空から消火活動を続ける。2021年8月16日 写真提供:Ammi Louiza/ABACA/共同通信イメージズ

アルジェリアがモロッコに対し国交断絶

アルジェリアは北アフリカに位置する共和制国家で、1962年7月5日にフランスから独立。アフリカ大陸でもっとも大きな領土を持つ国で、日本の約6.4倍の面積を誇る。アルジェリア北部では8月、多数の死者が出る山火事が発生し、その原因をめぐってアルジェリアは先週、モロッコが関与したと断定していた。アルジェリアのラムタン・ラマムラ外相は8月24日、モロッコによる「敵対行為」を受け、国交を断絶すると発表している。

飯田)モロッコとアルジェリア。アフリカ大陸の北の方です。

宮家)北アフリカですよね。昔日本では「地の果て」などと言われ、「カスバの女」という歌もありました。私は中東専門ですがアルジェリア担当になったことはないのだけれども、フランス語圏ですよね。

歴史的にも対照的なモロッコとアルジェリア

宮家)モロッコとアルジェリアは隣国で、モロッコは王政ですが、アルジェリアは独立戦争をやって、大変な血が流れ、共和制で内乱が起きたりと、まるで対象的な両国なのです。モロッコの王様は、おそらくムハンマドの末裔と言われている人で、それなりの権威もあるわけです。国は王政で、安定していて、穏健で。

飯田)ムハンマドの末裔。

宮家)アルジェリアについて簡単に言うと、7世紀にアラビア半島でイスラム教が生まれ、それが爆発的に拡大して行った当時はエネルギーがありました。一方では、イラン近くの中央アジアまで拡大して行く。反対側では、北アフリカ、エジプトからリビアに行って、アルジェリアに行って、モロッコに行く。モロッコに行ったら、海の向こうにスペインという国があって、そこまでも行く。

飯田)スペインに。

宮家)スペインで大学をつくって、アラブ人でイスラムの先生たちが当時後進国だったヨーロッパ人にアラビア語でギリシャ・ローマ文化を教えたのです。その流れがアルジェリアからモロッコ、そしてスペイン、コルドバまで繋がるわけです。

飯田)アルハンブラ宮殿とか。

カギの国となるアルジェリア〜フランス植民地時代には屈辱も

宮家)当時のイスラムは素晴らしかったし、アルジェリアというのは、このなかではカギの国です。ただ残念ですけれど、近代にはフランスに相当やられてしまった。

飯田)植民地統治のなかで。

宮家)アルジェリアはフランスに対し、植民地化したことについて「謝罪しろ」と言っているのですが、ご存知ですか。日本はある意味で「謝罪」したけれども、フランスは絶対に謝らないですね。日本はいかに立派な国か。と私は思います。アルジェリア人からしたら、フランスにやられたことは怒り心頭だと思います。それだけのことがありましたからね。その意味では、アルジェリアとモロッコ、特にアルジェリアの歴史をもう少し勉強して、あの時代のことを再び考えなければいけないと思います。

 

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