コロナ禍で経済を救うには「ワクチンパスポート」導入が論理的な帰結

ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月15日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。国が新型コロナウイルスのワクチン接種を希望する受験生には優先的に接種を行うよう、自治体などに要請する考えを示したことについて解説した。

川崎のコロナ病棟 病床逼迫、ピーク見えない=2021年8月11日午後 写真提供:共同通信社

川崎のコロナ病棟 病床逼迫、ピーク見えない=2021年8月11日午後 写真提供:共同通信社

受験生のワクチン優先接種

国は9月14日、新型コロナウイルスのワクチン接種を希望する受験生には優先的に接種を行うよう、自治体などに要請する考えを示した。ワクチン接種が進む一方、学校関係者などからは、高校や大学などの入学試験を控えた受験生に対する優先接種を求める声が出ている。

新行)大学入試では9月1日から総合型選抜の出願が始まり、面接や小論文などの試験が進められる他、高校入試では2学期の定期試験の結果が影響するところも多く、これが受験生への優先接種を求める背景になっています。

新型コロナワクチンの接種は義務化してはいけない

佐々木)間違えて欲しくないのは、あくまで接種は個人の自由なので、義務化してはいけないということです。ただ、受験生のなかには希望する人が多いだろうと思います。入学試験前にコロナになってしまったら大変ですからね。副反応が出る場合もあるけれど、大体は2〜3日で収まるわけですから、日にちに十分余裕を持って、入学試験前に接種しておけば問題はありません。

新行)そうですね。

佐々木)医療クラスタの人たちの発信を見ていると、東京都内でも「すぐ予約できる、行けばすぐ打てます」という接種会場が増えていて、一時ほどワクチンが足りないという状況ではなさそうです。余裕があるようなので、いまは探せば打ちやすいと思います。

人流の数は変わらないのに第5波が収まって来た

佐々木)第5波もようやく収まって来ました。不思議なのですが、人流はほとんど変わっていないらしいのです。渋谷駅に出ている人の数で言うと、第5波の始まりから終わりまで、ほとんど減りも増えもしていない状況のようです。この夏前から、いい加減コロナで疲れて来ていて、飲みに行きたい人は飲みに行っているし、電車通勤している人はしているし、遊びに行く人は遊びに行っているということです。

スペイン風邪が収束した理由もわかっていない

佐々木)人流と感染の流行に関係があるのかどうか、よくわからない。私が出ている「アベマプライム」という番組に、「手を洗う救急医Taka」というツイッターアカウントで有名な、木下喬弘先生が出演されました。そのときに、「スペイン風邪」について聞いたのです。スペイン風邪のときは、世界中で5000万人〜1億人が死んだなどと言われているのですが、「どうやって収束したのですか」「弱毒化、毒が弱くなって収束したのですか」と聞いたら、「専門家にも聞いたことがあるのですが、収束した理由はわからない」と言っていました。なぜかわからないけれど収束した。

FRANCE – HEALTH – VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

イスラエルやシンガポールで感染が再拡大しているのはワクチン接種をしていない人だけ

佐々木)感染症などに関しては、未だに人類の科学でも不明なことがあるのだなと思いました。ただ、現状を見ていると、イスラエルやシンガポールのようにワクチン接種が進んでいる地域でも、また感染が増えて来ています。それを見て、「ワクチンを接種しても意味がない」と怒っている人もいるけれど、あれはワクチン接種をしていない人に爆発的に増えているのです。

新行)ワクチンを打っていない人に。

佐々木)要するに、ワクチン接種率が人口の8割に達して、「もういいだろう」と全部緩和した。「皆さん飲みに行ってもいいですよ。マスクも外しましょう」となったら、ワクチン接種をしていない人の感染が「ドカン」と増えてしまったのです。

ワクチン接種が7〜8割になれば、ワクチンパスポートを出す

佐々木)ワクチン接種が人口の7〜8割くらいになると、かなり効果が出て来る。でも、そこでイギリスがやったように、いきなり「どこに出かけてもOKです、酒も飲んでいいです。マスクもやめましょう」としてしまうと、接種していない人に感染が拡がるのでできない。

新行)イギリスのように。

佐々木)いま議論されていますが、マスクをしたり3密を避けるなど、いままで言われて来たことは続けつつ、ワクチンパスポートを出すしかない。政府も10月〜11月ごろには、希望者全員にワクチンが行き渡るようになるだろうと。おそらく人口の7割〜8割くらいで、残りの2割前後の人は、まだ打っていないという状況になります。その2割の人は多分、打ちたくない人です。どのくらいの割合かはわからないけれど、高齢者だと、いま2回目の接種が9割近くまで行っているので、打ちたくない人は1割くらいで済むのではないかという説もあります。

ワクチンパスポートを提示した人が飲食店にも旅行にも行ける〜それが論理的な帰結

佐々木)どちらにしても、打ちたくない人は少しはいるわけです。その人たちのなかで感染が増えてしまう危険性があるため、やはりワクチンパスポートを出して、ワクチンを打った人しか飲食店に行けない、旅行に行けないとするしかありません。人権侵害だと怒る人もいるけれども、一方で観光業、飲食店のことを考えれば、経済を保つためには、これ以上引き延ばすことはできない。

新行)そうですよね。

佐々木)そうすると、飲める人、遊びに行ける人は行くしかない。そうやって経済を救おうと考えれば、ワクチンパスポートで区切るしかないのではないでしょうか。それが論理的な帰結になるのだと思います。

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