緊急事態宣言・重点措置 30日全面解除を首相表明 〜第6波も想定した「ウィズコロナ」の課題とは

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月23日放送)にAPI主任研究員の相良祥之が出演。新型コロナウイルス感染症に対する今後の医療体制の在り方ついて解説した。

総理大臣官邸

総理大臣官邸

分科会が了承後、衆院議運委で首相が全面解除表明

新型コロナウイルス対策を議論する政府の基本的対処方針分科会は今日9月28日午前、19の都道府県に発令中の緊急事態宣言と8県のまん延防止等重点措置を明後日30日の期限をもって解除する政府の方針を了承した。

そして午後1時から菅総理大臣が衆議院の議院運営委員会に出席して解除を表明した。このあと参議院の議院運営委員会でも表明し、夕方5時から行われる感染症対策本部会合で正式決定、午後7時をめどに記者会見し、国民に向けて説明を行う。宣言解除後の重点措置への移行も見送る形で、制限と重点措置が全国のどこにも出ていない状況は4月4日以来およそ半年ぶりとなる。

新型コロナの基本的対処方針分科会に出席後、記者団の取材に応じる尾身茂会長 撮影:2021年9月28日午前、東京都千代田 写真提供:共同通信社

新型コロナの基本的対処方針分科会に出席後、記者団の取材に応じる尾身茂会長
撮影:2021年9月28日午前、東京都千代田 写真提供:共同通信社

コロナだけではない、一般医療の確保が課題

これに先立つ9月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」にいたAPI主任研究員の相良祥之は、新型コロナウイルス感染症に対する今後の医療体制の在るべき姿について次のように述べた。

飯田)ウィズコロナにこれから先、向かって行くということになるわけですかね。

相良)そうですね。専門家の方にお話をお伺いすると、「これからコロナは数年続くのではないか」という声もありますから、このなかでどのように医療提供体制を構築していくかというのは引き続き課題になってくると思います。

飯田)いままではPCR陽性者の日々の数というものがかなりセンセーショナルに報道されていた部分もありましたけれども、ここの意識というのも変わっていかなければいけないですか。

相良)今回の緊急事態宣言の解除に向けた動きのなかで、1つ大きな方針転換になったのだろうなと思っていますのは、医療の逼迫度です。これを正面から見ていこうというように専門家も政府も方針が変わってきたというところがあります。9月9日、緊急事態宣言の一部解除をして、東京などは延長しましたけれども、このときにも医療逼迫の状況をいままで以上に重視して判断すべきということで、判断がなされた。こういったものが今後も続いていく。新規感染者だけではなく、医療も見ていくということにはなると思います。

飯田)これは、ワクチン接種がある程度進んできて、重症化予防ができるようになってきたということと関連していますか。

相良)そうですね。もともとはアルファ株、デルタ株といった感染性の強い変異株が出現をしてきて感染者が急増してきた。そのなかでも重症化リスクが比較的高い高齢者へ、高齢者施設や病院でワクチン接種が進みまして、その効果が出て、死亡者自体はかなり抑え込んできているというのは続いていると思います。ただ、50代以下の現役世代の感染が主流になってくるなかで、感染者だけではなく、まさにこの軽症者、中等症も含めて医療を提供できるか。コロナの医療を提供できるかということに加えて、一般の医療も継続できるか。そういうことを問うために考える必要が出てきたのだろうなと思います。

報道陣に公開された「酸素ステーション」。手前は酸素を吸入するための酸素濃縮器=2021年8月21日午後、東京都渋谷区 写真提供:共同通信社

報道陣に公開された「酸素ステーション」。手前は酸素を吸入するための酸素濃縮器=2021年8月21日午後、東京都渋谷区 写真提供:共同通信社

“野戦病院”と“抗体カクテル療法”の合わせ技で改善が

飯田)特にこのコロナの初期に言われていましたけれど、なかなか政府が音頭を取っても病床の整備ができないし、お医者さんの動員もできないという。平時の立て付けのなかでけっこう窮屈になりながらやっていたというような報道もありますが、その辺りいかがですか。

相良)まさに今回の感染拡大で非常に問題になったのは、医療提供体制。何度も言っても国と地方の調整がつかない。医療提供体制については都道府県で責任を持って確保していくということになっていましたので、総理が号令を出してもなかなか動けないというところがコロナが始まって以降、ずっと続いていた。ただ、今回改善したところもあると思います。1つは、いわゆる野戦病院です。臨時の医療提供体制。これは東京都も酸素医療提供ステーションなどもできてきていますし、あともう1つは抗体カクテル療法です。こういった治療薬も出てきて、この合わせ技でワクチンと一緒に感染を抑えこんでいくという動きは進んできたのかなと思います。

飯田)一方で、いまコロナの運用をしていると、PCRで陽性となったそのあとは、基本的に保健所の管理下に置かれるという。その保健所が、かなりマンパワー的にも逼迫しているという面がありますよね。そのあたりを今後はどう変えていくか。あるいは変えずに改善するか。どうやっていったらいいと思われますか。

相良)この医療提供体制と保健所、これはいずれも道府県、東京ですと特別区23区、この下にあるということで、私どもで2020年に実施したコロナ民間臨調という検証でも、なかなか政府として有事に切り替えていくというところでも、地方と足並みを揃えるのが難しい。この国と地方の相場観を合わせていくのが非常に難しかったというのがこれまでずっとありました。ただ、こうやって少しずつできてきていると思います。実は、あまり報道されていませんが、菅総理が小池都知事と先日築地にできました酸素医療ステーションを一緒に視察をされていまして、抗体カクテル療法も合わせて治療していく。これはものすごい効果も出ていますので、第6波が来るかもしれませんから、こういったものを備えていくということは引き続き必要だと思います。

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