中国、ロシアがアフガニスタンに近付く“それぞれの事情” 〜ロシアがタリバンと実務関係を強化

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月22日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。ロシアと中国、イランなど計10ヵ国がアフガニスタンのタリバン政権高官を交えた高官級会合をモスクワで開催したというニュースについて解説した。

ロシアのプーチン大統領(ロシア・モスクワ)=2021年10月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信

アフガニスタンと10ヵ国が協議 ロシアはタリバンと実務関係を強化

ロシアと中国、イランなど計10ヵ国は10月20日、アフガニスタンのタリバン暫定政権高官を交えた高官級会合をモスクワで開催した。イスラム主義組織タリバンが実権を掌握したことを「新しい現実」として捉え、アフガンと実務的な関係を強化して行くことで一致した。

飯田)暫定政権を樹立したタリバンに一定の歩み寄りを示した、という解説が入っています。

宮家)中国にせよインドにせよ、各国で事情は微妙に違うのですけれども、タリバンの裏にいるのはパキスタンですからね。もしアフガニスタンでまた混乱が生じて、どこかにエアポケット……力の空白ができるようなら、当然、新しいテロの可能性が出て来ます。もちろんアメリカも関心があるけれど、実はいちばんそれを恐ろしいと思っているのはロシアかも知れません。もしくは、ウイグル問題を抱える中国かも知れない。アメリカとタリバンの関係はまだうまく行っていませんから、その合間を縫ってロシアが入って来た。

飯田)鬼の居ぬ間に洗濯、のようなものですか?

アフガニスタンとロシアの大きな国内問題になり得る 〜その防御的な部分も

宮家)(ロシアが)だから主催したということでしょう。しかし、ロシアはソ連時代の1979年に、どこかの国に入って行きませんでしたか、ということです。「あなたはあそこで1回、大失敗したではないか。どの面下げてやっているのか」という気がしないでもない。能動的にやっているというよりは、彼らにとって、1つ間違えたらチェチェンも含め、アフガニスタンがまた大きなロシアの国内問題になり得るかも知れない。それを考えて、ある程度は防御的に動いている部分もあるのではないかと思います。そういう意味では面白い動きです。

飯田)そうすると、かつての戦車を連ねるような、勇ましいことにはならない。

宮家)やれるものならやってみろという感じです。一度えらい目にあったではないですか。あれがソ連にとっては、アメリカのベトナムのようになったわけですからね。

飯田)泥沼化しました。

宮家)それでソ連が潰れて行ったわけですから、それを考えるとそんなに簡単ではない。ただ、いまロシアを指導している人は元KGBですからね。DNAはまだ変わらないのでしょうかね。

中国はウイグル問題を念頭に置いた動き

飯田)中国としては、経済的なメリットを求めてという話もありますけれども。

宮家)私はそれよりも安全保障、特にウイグル問題を念頭に置いた動きを、中国は中国で、ロシアとは違う観点から進めているはずだと思います。

飯田)なるほど。その辺で利害が一致するから、今回のようにやっているのですか?

宮家)そうです。たまたまです。アメリカがまだ動けない状況だから参加したけれども、まだ序の口ですよね。これから米中露印などの間で本格的なせめぎ合いが始まると思います。

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