「社会に対する不満」を解決するのは政治の役割 〜京王線刃物男

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月1日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。走行中の車内で乗客を切りつけ、液体を撒いて火をつけた京王線の事件について解説した。

【京王線国領駅付近で刃物の男】事件のあった列車が停車した京王線国領駅で対応にあたる消防隊員ら=2021年10月31日午後、東京都調布市 写真提供:産経新聞社

京王線で乗客を切りつけ、車内に火をつけた24歳の男を逮捕

10月31日午後8時ごろ、東京・調布市を走行中の京王線の車内で男が刃物で乗客を切りつけ、液体を撒いて車内に火をつける事件が起きた。警視庁は住所・職業不詳の自称服部恭太容疑者(24)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕している。

飯田)11月1日の新聞各紙は衆院選が一面トップというところなのですが、朝日新聞は裏一面に大きく、

『京王線切りつけ・火災、17人搬送 新宿行き特急、1人は重体 殺人未遂容疑、男逮捕 東京・調布』

〜『朝日新聞デジタル』2021年11月1日配信記事 より

飯田)……と記事が出ています。社会的に非常に大きなニュースだという扱いです。

なぜ、このような事件が起きたのか 〜解決するのは政治の役割

須田)小田急線に続いて同じような事件が起こったということを考えると、社会的にこういう事件が発生する土壌にあるのだろうと思います。事前の監視体制、監視カメラの設置を進めるということだけでは、もうこのような事件は防げないということを我々は認識するべきではないでしょうか。

飯田)監視カメラ等だけでは。

須田)なぜ今回の事件が発生したのか、どこに問題点があるのかというところまで掘り下げて、解決する方向に持って行かなければならない。その役割は警察ではなく、政治なのです。

飯田)社会全体をどうつくって行くかということ。

須田)総選挙の日にこのような事件が起き、「新しく国会議員になった方々は、社会のこういった病巣をどうするのですか?」と突きつけられているのだということです。「すぐ解決に動かないと、今後、社会がリスキーな状況になる」と言われているのではないかと思います。

社会が抱えている病巣 〜なぜ繰り返し起きるのか

飯田)調べに対して、「乗車して座っている人を刺した。人を殺して死刑になりたかった。小田急線の事件を参考にした」と供述しているそうです。小田急線の事件でも、混雑した車内で刃物を振り回し、そしてあのときはサラダオイルに火をつけようとしたけれど、つかなかった。今回はライターオイルが使われた可能性があり、かなり激しく燃えていたということも報じられています。

須田)気になるのは、「人を殺して死刑になりたかった」という殺傷事件が繰り返し起きていることです。

飯田)そうですね。

須田)確信犯的にこういう行動を取られると、防ぎようがないのですよ。なぜこういう気持ちに至ったのか、加害者、容疑者を含めて、何らかの病巣を私たちの社会が抱えているのだろうと思います。

社会に対する不満はどこにあるのか 〜そこに手を伸ばすのが政治の役割

飯田)現場となった国領にお住まいの方からもメールをいただきました。“メイ”さん、60歳の女性です。「昨日選挙速報を見ていたら、“調布国領京王電車事件”と速報が出てびっくりです。私は国領在住で電車も毎日利用しています。身近でこんな痛ましい事件が起こるとは。ヘリコプターや救急車の音がずっと聞こえて来て怖かったです」と、いただきました。社会の病巣というところで言うと、コロナの閉そく感、また経済的な部分があるのかどうか。

須田)今回のケースは、周りを巻き込んだことで大きなニュースになっていますけれども、その一方で、自殺の件数が目立つようになって来ています。それと裏腹の関係にあると私は思うのです。この事件だけではなく、背景には似たようなことがいくつも起こっているのだということを認識すべきではないかと思います。

飯田)これから特別国会が召集されて、補正予算の審議等々にもなりますけれども、この辺りのケアについても論点になりますよね。

須田)社会に対する何らかの不満を抱えているのは間違いない。では、その不満はどこにあるのか。経済的な問題なのか、それとも家族上の問題なのかというところまで掘り下げて、そこに対して手を伸ばすのが政治の役割だと思います。

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