中国に対する世界の“見方”が変わって来た 〜台湾・蔡英文総統とEU議員団が初会談

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月5日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。台湾の蔡英文総統とEUの議員団が初会談を行ったというニュースについて解説した。

習近平主席、SCO・CSTO合同サミットに出席(北京=新華社記者/黄敬文)= 2021(令和3)年9月18日 新華社/共同通信イメージズ

台湾の蔡英文総統とEUの議員団が初会談

台湾の蔡英文総統は11月4日、台湾を訪問中のヨーロッパ議会の公式代表団と会談し、中国などを発信源とする偽の情報やサイバー攻撃に対抗するため、協力関係を深めて行くことで一致した。議員らは欧州連合(EU)の加盟国に対するインターネットなどを利用した外部からの選挙介入や、世論操作などの問題を扱う特別委員会に所属しているとのことだ。

中国に対する世界の見方が変わって来ている

飯田)フランスのグリュックスマン議員ら7人の議員からなる代表団で、これは欧州議会の代表団という形です。

宮家)各国の政府とは違って、EU議会は独立した別の組織ですから、こういうことができるのかも知れません。グリュックスマンさんは中国に厳しい人だと言われているので、欧州の一部とはいえ欧州議会の関係者が、公式の代表団として台湾に派遣されるというのは、ひと昔前では考えられないことです。これをどのように理解したらいいのかと普通の人は考えるでしょう。

飯田)蔡英文総統と会談するということを。

宮家)とりあえず言えるのは、中国をめぐる見方、日本もアメリカも欧州も含めた世界からの中国に対する見方というのが、変わりつつあるのではないかということです。理由はたくさんあって、中国が大きくなり、強くなり、自己主張が激しくなった。場合によっては人権侵害もやる。あるいは欧州が中国に投資していても、必ずしも平等に扱われないなど、諸外国のいろいろな不満がようやく出て来た感じがします。

断固とした反対を表明する中国

宮家)世界各国とも、中国に対する外交を見直す動きが出て来ているのではないでしょうか。つい最近では欧州でもチェコの代表団が台湾を訪問しましたが、EU議会の代表団が公式に蔡英文さんと会うというのは、次元が変わりつつあるなという気がします。単にヨーロッパだけの問題ではなく、似たようなことはアメリカでも起きているし、日本でも起きていることですから。中国はこのことをよく考えて、「なぜこんな事態が起こってしまったのか」を反省すべきところなのですが、実際にはどうも逆の方向で、諸外国に対する反発が出て来ますよね。

飯田)「強烈な不満と断固とした反対」を表明すると。

宮家)彼らはいつも「強烈な不満と断固とした反対」ですね。他に形容詞がないのかなというくらい一貫していますから、どれがどの程度強いのかわからないけれども。強烈には違いないでしょう。

「東アジアの状況が大きく変わりつつある」ことをヨーロッパ諸国も理解している

宮家)中国は少し政策を変えたらいいと思うのだけれども。ウイグルにしてもチベットにしても、もしくは香港にしても、ヨーロッパの基本的な価値観と反する部分があって、溝は深そうですね。このまま中国にとってよくない方向へ動く可能性が高いのではないでしょうか。

飯田)その辺りを緻密に分析された、宮家さんの『米中戦争 「台湾危機」驚愕のシナリオ』(朝日新書)という本が10月に出たばかりです。こちらもご覧いただければと思います。

宮家)よろしくお願いいたします。

飯田)EUがこうして議員団を送って来ることの意味も、また深掘りできると思います。

宮家)「東アジアの状況が大きく変わりつつある」と、ヨーロッパ諸国も理解しているということだと思います。

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