現地取材 〜北海道観光業の「いまとこれから」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月15日放送)では、飯田浩司アナウンサーによる現地取材のレポートを交えて、「北海道の観光業のいまとこれから」について、解説した。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを祝う横断幕を、青森県が県庁舎正面回廊に掲示した=2021年7月29日 写真提供:産経新聞社

北海道の観光業はどのように経済活動を再開するのか

新型コロナウイルスの感染拡大で経済的な打撃を受けた北海道の観光業。緊急事態宣言が全国で解除され、感染者数も落ち着きを見せるなかで、現地はどのように経済活動を再開して行くのか。北海道の観光業について、いまとこれからを取材した。

飯田)先週末、函館から入って北上して行き、白老など、ごく一部なのですが取材してまいりました。北海道で最初に道独自の緊急事態宣言が出されたのは去年(2020年)の2月でした。それから新型コロナの影響を受け続けて、いまに至るというところです。そんななかで、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録もされ、新たな動きがありました。函館市には「縄文文化交流センター」がありますが、垣ノ島遺跡と大船遺跡という2つの遺跡を見学でき、「遺跡掘り体験」もできます。

飯田アナウンサーの遺跡発掘体験

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飯田)いま「ガチッ」としました。

ボランティア)その辺りが大事なので。

飯田)「ガリッ」と言いましたものね。これをこうするわけですね。あ、大きい!

ボランティア)けっこう大きいですね。大きさも深さもありそうなので、竹べらを上手に使ってやってください。

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飯田)完全に雰囲気のものの取材録音でしたけれど、スコップを持って、土の表面を撫でるように発掘する遺跡掘り体験ができるのです。「1メートル四方くらいのフィールドですよ」と案内されて、「そこに土器のかけらなどが埋まっていますから、掘り出してくださいね」と。土を掃きながら掘って行くと、「ガリッ」と何かに当たるのです。今度は刷毛で上を撫でて行き、土を払い、竹べらを使って周りがどういう形か確認する。「実際にこのようにやるのです」と、登録までのプロセスを体験できるのです。

ジャーナリスト・須田慎一郎)これは本物なのですか?

飯田)レプリカなどを使いながら体験します。本物の場合は素人が傷つけたりすると、価値がなくなってしまいますから。

須田)それはそうですよね。

飯田)登録が今年(2021年)の7月だったので、夏休みはお子さんの自由研究で来る人がいたようです。ボランティアの人が懇切丁寧に案内してくれて、しかもタダという。

須田)タダなのですか!?

飯田)そうです。隣には資料館があり、そこも300円で入ることができます。

2020年7月にオープンした「ウポポイ(民族共生象徴空間)」

飯田)去年(2020年)、白老郡白老町に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が4月オープン予定でしたけれど、コロナの影響で7月にオープンしました。アイヌの文化復興などに関するナショナルセンターで、その核となるのが「国立アイヌ民族博物館」です。アイヌの歴史と文化を主題とした日本初の国立博物館なのですが、展示企画室長である田村さんに、施設の意義なども伺ってまいりました。

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飯田)全体の展示を通して、どんなことを感じてもらいたいですか?

田村)アイヌ文化と言っても単純なものではなく、いろいろな地域性があり、時代によっていろいろと形が異なります。そういう多様性を感じて欲しいと思います。

飯田)日本のなかでも、地方によって、いろいろな特色や文化が育まれていますが、北海道にも独自の文化があったのだと。北海道だけではありませんが。

田村)北海道、サハリン、千島ですね。日本は和人のなかでも方言や文化が多様ですが、同じようなことがアイヌ民族にもあり、それらも含めて、日本国内の多民族の豊かさを感じていただきたいと思います。

飯田)ここで分断するのではなく、全部まとめて「日本」であると。

田村)そうですね。これも日本なのだと、そういうところを見ていただきたいです。

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アイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で、ポロチセ内部を視察する菅義偉官房長官(右から2人目)=2020年7月11日午後1時24分、北海道白老町 写真提供:産経新聞社

2020年の訪問者が11.9%増であった白老町

飯田)さまざまな意見もあるとは思いますが、観光面で言うと、ここで1つのアイコンができあがり、2020年度のデータでは各地の訪問者が減るなかで、白老町は11.9%増だったということです。

これから先、北海道ならではの冬のコンテンツも満載 〜「どうみん割」も実施

飯田)最後に、北海道の観光の現状や今後の展望について、北海道観光振興機構の山科次長にお話を伺いました。

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飯田)ようやく、少しずつ状況が変わって来ましたか?

山科)そうですね。10月に緊急事態宣言が明けまして、徐々にお客さんが戻って来ているような感じです。それでも、まだピークの2割〜3割ですので、これからお客さんが増えて来ることを祈っております。

飯田)北海道は観光の裾野が広いので、盛り上げるための政策をいろいろやっています。北海道民の皆さんに観光してもらおうという企画もやっているようですね。

山科)「どうみん割(道民割)」をこれから実施して行きますし、各自治体、町、村などもそれぞれ施策を行っております。

飯田)その上で、次は道外からもお客さんを呼びたい。そうすると「Go To トラベル」ということになりますよね。

山科)感染対策をしっかり取り、年明けの1月〜2月ごろとされていますが、「Go To トラベル」が復活し、道外からもお客さんに来ていただければと思います。

飯田)これから先、秋が深まって冬が始まります。どんなところが見どころになりますか?

山科)北海道のベストシーズンは夏と言われていますが、ウィンタースポーツや温泉などのいろいろなコンテンツがありますので、関東にはない冬のコンテンツを楽しんでいただければと思います。

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日本人が国内で使うマーケットはインバウンドの10倍

飯田)観光業としては、道外からもお客さんを呼びたいというところですが、どうご覧になりますか?

須田)北海道に限った話ではないのだけれども、コロナ禍で外国人観光客が訪日することができなくなり、大きな影響が出ています。しかし、インバウンドの落とすお金を1とすると、実は日本人が国内で使うマーケットは10もあるのですよ。

飯田)10倍!

須田)10倍ぐらいあるのです。本来はそちらの方に鉱脈があるのではないかなと思います。国内在住の人に対して、どのように「魅力ある観光地」を提案して行くか。外国人観光客を取り入れる方が簡単ですし、効果も大きいのだけれども、そちらの方が安定的に成長して行けるのではないかと思います。

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