いまやワクチン接種率がほぼトップの日本、ここで経済を回すしかない

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月17日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。ワクチン・検査パッケージ制度について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

ワクチン・検査パッケージ制度

11月16日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の会合が開催され、イベントや飲食店での行動制限の緩和案が了承されたが、リバウンド(感染再拡大)を警戒する専門家からは、ワクチン接種済証か検査の陰性証明を提示する「ワクチン・検査パッケージ制度」を過信することへの懸念の声が上がった。

飯田)接種証明、あるいは検査の陰性証明があれば行動制限を緩和するという対策が出て来ました。

いまやワクチン接種率がほぼトップの日本 〜ここで経済を回すしかない

佐々木)「感染防止と経済をどう両立させるのか」というのが、この2年近く悩ましい問題だったわけです。日本はいまや、ワクチン接種率がほぼナンバーワンに躍り出てしまった。

飯田)すごいですね。

佐々木)少し前までは「ワクチンがない、竹槍で戦うのと同じだ」と言われていたのが、いまやトップに近くなっている。しかも感染者は東京都でも1桁になる日がある状況のなかで、いま経済を動かすしかないということです。

飯田)この状況で。

佐々木)もちろん、冬になれば第6波が来るのではないかという予測もありますが、それはそれということです。完璧を期すのではなく、見切り発車で動かしながらやって行くしかないのです。常にコロナはそうなのです。

飯田)見切り発車で。

佐々木)政府が接種証明書(ワクチンパスポート)をつくろうという話になって、方針を出して来ているのだけれど、東京新聞が1面トップで、

『感染悪化、ワクチン効果低減したら…政府、経済優先で行動緩和は「見切り発車」に』

〜『東京新聞』2021年11月16日配信記事 より

……と噛み付いています。半年経ったらかなり効果が減って来るというのは以前から言われているので、それを考慮せずに「見切り発車だ」と怒っているのだけれど、「ではどうすればいいと思うのですか、東京新聞さんは」と私は聞きたい。これで、もしワクチンパスポートをやらずに、経済を動かさない、Go To キャンペーンも当分やりませんとなったら、東京新聞は、今度は「観光業が悲鳴を上げている」と書くに決まっているのです。

飯田)今度は。

佐々木)すべてが完璧なゼロコロナなんてあり得ないわけです。感染爆発の危険性も抑えつつ、経済も盛り上げつつという、少しずつ状況を見ながら見切り発車をすることこそが、完璧な手法なのです。だから、見切り発車という批判は批判になっていないと思います。見切り発車でいいではないですか。

いろいろある民意をどうバランスを取るか 〜ワクチンパスポートやGo To キャンペーン

飯田)バランスは立場によってまったく見解が違う。ある意味、何をやっても批判されるけれども、決断しなければならない人たちがいるわけですよね。

佐々木)やじろべえのようなものです。やじろべえが振れているのだけれど、倒れてはいけない。倒れないようにやって行く。観光業界や飲食業界から見たら、早くGo To キャンペーンをやって欲しい。「1月開始」という噂も流れていますが、できれば年末商戦に向けて12月に入ったらやって欲しいという人はたくさんいるでしょう。

飯田)年末に向けて。

佐々木)でも、それをやると今度は怖いと思う人も出て来るわけです。民意はいろいろあるではないですか。その民意について、どうやってバランスを取るかというのが政治の役割です。どちらかと言うと、前倒しで見切り発車して、早くワクチンパスポートもGo To キャンペーンもやって欲しいですね。

これ以上何を求めるのか 〜ゼロにはならない

飯田)いままでの人流抑制は「PCR陽性者数をゼロにしよう」というような精神でやっていましたけれど、ゼロでなくてもいいのではないかと思います。

佐々木)これだけワクチン接種率が高まり、東京で1桁台まで抑えられて、「これ以上何を求めるのか」ということです。ゼロにはならないわけですからね。未だに「アジアでは最悪の感染だ」などと騒いでいる左派の人たちもいますが、最悪でも何でもありません。台湾や中国のようなコントローラブルなことをやっている国と比べれば多いのかも知れませんが、インドやインドネシアと比べたら少ないわけで、今回の日本の対応は十分だと思います。

飯田)病床の確保なども進んで来ています。

佐々木)前々から厚生労働省のコロナ分科会の尾身茂会長が言っていましたが、当初は感染を増やさない、死者を増やさないということだったのだけれど、いまの目標は「医療崩壊しないようにする」ということです。ベッドが足りている状況にしましょうという段階に来ていて、そこさえクリアすれば、普通の病気と同じように扱えるようにはなるわけです。いまのテーマはそこだけだと思います。

飯田)あとは経口治療薬などが出て来れば。

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