初動での対策を厳しくするべき 〜オミクロン株を警戒、政府が水際対策を強化

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月29日放送)に元内閣官房副長官補・同志社大学特別客員教授の兼原信克が出演。新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株について解説した。

スムーズに新型コロナ接種証明を確認 「ワクチン・検査パッケージ」活用に向け実証実験ツアー=2021年10月15日午後、羽田空港 写真提供:産経新聞社

新型コロナ、オミクロン株を警戒 〜政府が水際対策を強化

南アフリカで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の日本への流入を防ぐため、政府は9ヵ国を対象に水際対策の強化を始めた。オミクロン株については世界保健機関(WHO)が「懸念される変異株」に指定。各国でアフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっている。

飯田)イギリス、ドイツなどのヨーロッパや、オーストラリア、香港などでも新たな変異株の感染が確認されたということです。当該国からの渡航禁止を打ち出すような国もありますが、どうご覧になりますか?

兼原)パンデミックは初動が大切なのです。初動が厳しいほどいいのです。日本は島国なので、闇に紛れて国境を越える人はいませんから、「バンッ」と閉めるべきです。最終解決はワクチンしかないので、ワクチンが出て来る前に感染が拡大してしまうと、何人も死んでしまう可能性があります。

飯田)拡大して。

兼原)まずは「ガンッ」と閉めて、それからゆっくり開ける。感染力はまだよくわからないと言われていますが、かなり強いらしいので注意した方がいいと思います。

初動を厳しくして国内に入れない対策が必要

飯田)日本政府の対応策としては、南アフリカやジンバブエ、ナミビアなど9ヵ国を対策強化の対象として、入国後10日間、国が指定する宿泊施設に留める「停留」措置という形になっています。一応は入れるということになるのですか?

兼原)ヨーロッパに比べると数は少ないでしょうから、コントロールできると思っているのかも知れませんが、基本的に初動は厳しく動いた方がいいと思います。

飯田)「当該国からは来ないでくださいね」と。直行便も。

兼原)これは強権発動ですが、「入れません」と言って切ってしまうことはできるので、やった方がいいのかも知れません。感染力や毒性がどのくらい厳しいのか、まだよくわからないのです。入れておいて、毒性が強かったという話になると、感染が拡がってしまいます。国民を守ることを先に考えるべきです。

強権発動に慎重な日本政府

飯田)イスラエルなどは閉めて、「来るな」という方向でやっていますよね。

兼原)イスラエルは毎日が準戦時で、強権発動が平気な国ですから。

飯田)その辺りは、国情によっても違う。

兼原)日本は戦争中に動員をかけて多くの方が亡くなっているため、日本政府は強権発動に慎重なのです。批判されるのではないかと危惧してジワジワやりたがるのですが、いざというときは政府が動くべきです。政府の仕事ですから、憎まれ役もやらないと。

飯田)その辺り、以前兼原さんがご出演いただいたときに、普段から訓練で動かしている筋肉は動かせるのだけれども、という話をしていました。

兼原)災害などに対応する地震チームは早いですよ。24時間で数十万人を動かすことができます。パンデミックチームは100年ぶりのことだったので、初めは苦労しましたが、1年間訓練していますから、迅速に動いて欲しいと思います。

国産のワクチン、抗体カクテルや経口薬の開発にお金を使うべき

飯田)ワクチン、また抗体カクテルや、経口薬についても今後は緊急承認されるだろうと言われています。道具立てはようやく揃って来たという感じですか?

兼原)先端を走っている日本が、ワクチンをつくれなかったことは恥ですよね。国力を上げて危機に立ち向かわなければいけません。すごいスピードでワクチンを打ちましたが、日本人は動き始めると早いのです。積極的にやるべきです。政府の鼎(かなえ)の軽重が問われます。危機管理に失敗すれば即死につながるのです。パンデミックのような、慣れていない危機管理は辛いのです。頑張っていただきたいと思いますけれども。

飯田)政府が科学技術予算にお金を出さなければいけない。アメリカはワクチン開発に国防予算から入れて、瞬く間につくりましたよね。

兼原)モデルナは国防総省系です。一気に保健省の方に行ってしまいましたが。国民の健康や安全については、民間企業が払えないお金を政府が払うのです。それで前に出て行くのが科学技術の進歩なのです。

飯田)政府が払う。

兼原)そうしないと動かないですよね。お金を入れるのは、国民の安全がかかっているからなのです。そういうところを頑張らなかったら、何にお金を使っているのかという話になります。

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