日大全体の組織としての問題 〜日本大学の田中理事長が脱税容疑で逮捕

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月30日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。日本大学の田中理事長の脱税容疑での逮捕について解説した。

相撲の全日本選手権を訪れた日本大学理事長で、日本相撲連盟副会長の田中英寿氏=2020年12月6日、東京・両国国技館 写真提供:時事通信社

相撲の全日本選手権を訪れた日本大学理事長で、日本相撲連盟副会長の田中英寿氏=2020年12月6日、東京・両国国技館 写真提供:時事通信社

日本大学の田中理事長が5300万円の脱税容疑で逮捕

所得税およそ5300万円を脱税したとして、東京地検特捜部は11月29日、日本大学理事長の田中英寿容疑者を逮捕した。日本大学をめぐっては元理事の井ノ口忠男被告と医療法人グループ前理事長の籔本雅巳被告の2人が付属病院の建て替え工事をめぐる背任の罪で起訴されていて、井ノ口被告と籔本被告は田中容疑者に現金を提供したと供述している。

飯田)隠した所得は1億2000万〜1億3000万と言われています。

クラフト)本丸ではないでしょうけれども、とりあえず、ここから警察が入って行くのでしょう。

飯田)もともとは日大の板橋病院の建て替えをめぐって、背任という形で相当金が抜かれているのではないかということが言われていました。

日大全体の組織としての問題

クラフト)ここの問題は病院ですけれども、日大全体の組織としての根幹的な問題があって、アメフトの事件もありました。そのときから田中理事長の支配ぶりと日大の組織としてのガバナンスが問われていましたが、しっかりと対処できなかったので、その付けが回って来たのだと思います。

飯田)相手の選手に対し、怪我させるのを念頭に置いてタックルを指示したというところから始まった問題で、現場のコーチと監督が辞任しました。しかし、組織を守るためのトカゲの尻尾切りなのではないかと言われていますね。

クラフト)日本大学は素晴らしい大学なので、これを機にガバナンスを強化し、体制づくりを立て直して欲しいですね。そのためのチャンスだと思います。

経済成長のために今後10兆円規模のファンドが大学に支給 〜組織のガバナンスが求められる

飯田)日本大学は私立の大学ですが、私学に対しても助成金が入っています。助成金が入って経営しているのに、このような使途不明のやり取りがあると具合が悪いですよね。

クラフト)政府は経済成長のために、今後10兆円規模のファンドを大学に支給して行きます。それを大学がきちんとマネージできるかが問われて来るわけです。こういう経営をやっていて、資金が不正に使われるような場合は、税金の無駄遣いになります。その意味でも、ガバナンス強化は重要だと思います。

飯田)かつて、学園の自治に公権力が切り込むのは「権力の横暴だ」と言われた時代もありましたが、そんなことは言っていられないですよね。

クラフト)言っていられません。昔と違って、大学も1つの企業としてきちんとした経営を求められます。今回のようにトップが長年居座ると、腐敗が生まれやすいのです。田中理事長は1999年に理事に就任して、2008年に理事長になって以来、その座にずっと居座って権力を強めてしまった。そうならないためにも、理事長の期限を決めて、組織のガバナンスを強化して行く必要があります。

東京・千代田区 日本大学 外観=2018年5月23日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

東京・千代田区 日本大学 外観=2018年5月23日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

透明性を持った経営を求められるアメリカの大学

飯田)アメリカの場合、私立大学にはトップ校が多いわけですが、経営の部分に関してはプロの人たちが来ることが多いですよね。

クラフト)アメリカの場合は、OBからの寄付など献金が多いのです。それをきちんとマネージしないと問題ですし、その大学の経営が問われるわけです。透明性を持って経営して行くことが求められます。日本もそういう時代に入るべきです。

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