オミクロン株の水際対策は厳格だが、未だ医療体制が不安な日本

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。オミクロン株の感染が拡大し、英・ロンドンのカーン市長が宣言した「重大事態」について解説した。

New COVID-19 variant Omicron=??Luz Garcia/VW Pics via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ

オミクロン株の感染拡大でロンドン市長が「重大事態」を宣言

イギリス保健当局は12月18日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の1日あたりの新規感染者が、前日の3倍以上である1万59人だったと発表した。19日も1万2133人だったと公表しており、2日連続で1万人を超えている。ロンドンのカーン市長は入院患者の増加を受け、「重大事態」を宣言している。

飯田)世界で新型コロナウイルスの感染が、デルタ株からオミクロン株に入れ替わって拡大しています。

須田)完全に入れ替わりつつあるのだろうと思います。加えて、感染力の強さが、感染者の激増を招いています。毒性については現状、デルタ株と比べれば強くないのではないかとも言われていますが、感染者数が増えれば、結果的に重症患者や亡くなる方が出て来るのは間違いありません。だからこそ、イギリス、またロンドンがこれだけの警戒感を持っているのだと思います。

飯田)そうですね。

須田)日本はどうなのかと言うと、いろいろと批判はありますが、日本人の水際対策はかなり厳格です。ルールを守って報告しろと言えば、それを遵守する姿勢があり、水際対策に関してはきちんと対応できているのではないでしょうか。

飯田)水際対策は。

須田)ただ、水際対策が確立したのは、航空機の時代ではなく、船舶の時代です。そういう意味では、必ずどこかで漏れが出て来る。入って来るスピードを遅らせることは可能なのですが、完全に防ぐことはできないという前提で考えた方がいいと思います。

感染者が増えるとクラスター対策ができない 〜医療提供体制の不安

須田)そういう状況のなかで、クラスター対策、積極的疫学調査を徹底的に行っています。しかし、第5波までのケースを考えると、感染者数が増えた場合、保健所のキャパを超えてしまい、クラスター対策ができない状況になる。これは東京でも大阪でも、我々は見て来たわけです。「その辺りは大丈夫なのですか」という問題があり、それに対して決め手がありません。加えて、受け入れる病院の医療提供体制がどうなっているのかというところも、まだまだ不安な部分があるのではないでしょうか。

飯田)積極的疫学調査にも人がたくさん必要になるし、一方で感染者が増えると、その人たちをどうやって治療して行くのかという問題がある。その全体の工程を差配するのは保健所です。「感染者をどう差配するか」というところで、根詰まりを起こしてしまうという問題が、前々から指摘されています。

2類相当から5類相当に変更して柔軟な対応ができるようにする 〜公的扶助を受けられる法律を超党派でつくるべき

飯田)通常の病気のように保健所を通さず、かかりつけのお医者さんから、大きな病院に直接移せないかということがずっと言われています。しかし、本質的にはまだ変わっていないですよね。

須田)例えば2類相当から5類相当へ変えるのか。新型コロナウイルスを軽んじるわけではないけれど、体制の点から見て、柔軟な対応が取れる5類相当にした方がいいのではないかという見方もあります。

飯田)5類相当にすると、保険で見なければいけないから、「皆さん、お金がかかりますよ」というようなことが言われますが、指定感染症であればオーダーメイドのように、「ここは2類にして、ここは5類にして」というつくり方ができるはずなのですよね。

須田)できますし、新型コロナウイルスに対して、公的扶助を裏付ける法律を超党派で早急に立てればいいのですよ。

飯田)そうですよね。これが与野党対立の案件になるかというと。

須田)まったくならないと思いますよ。

「ファクターX」の検証

須田)もう1点、「ファクターX」の問題があります。なぜ日本でこれだけ感染が抑えられているのかというところも、きちんと検証する必要があるのではないかと思います。

飯田)一部のタンパクが影響しているのではないか、などという研究結果も出て来ています。

須田)それによって、対策もまた変わるでしょうから。

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