これで「台湾統一」は難しくなった 〜香港・立法会議員選挙の実態

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。12月19日に行われた香港の立法会議員選挙について解説した。

演説で台湾統一実現への決意を表明した中国の習近平国家主席=2021年10月9日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

香港・立法会議員選挙 〜投票率は過去最低の30.2%

香港の議会にあたる、立法会議員選挙が12月19日に行われた。「愛国者による香港統治」を掲げる中国主導で選挙制度が変更された結果、民主派の多くは立候補にも至らず、新中派が圧倒的多数を獲得するのが確実な情勢となっている。

飯田)20日にも結果が判明する見通しですが、投票率は過去最低の30.2%となっています。立候補資格が審査され、愛国的かどうかを見られるということで、愛国的な人しか出られないという選挙ですよね。

須田)これを「選挙」と呼んでいいのかどうか。それでも、一部の望みとして残っているのが、投票率なのです。過去最低の30.2%。通常、この手の選挙になれば、強引にでも投票に行かせて投票率を上げ、「これだけの信任を得たのだから」という建て付けをしないと、外国に対して説明がつきません。

選挙をボイコットして消極的な拒否を行った

須田)その説明をする必要もないくらいに、あからさまなやり方を取って来たとも見えます。香港の人たちは、その辺りについて、「消極的な拒否」とも言えるボイコットをしたのだろうと思います。投票所に行かない、投票しないという。

飯田)消極的な拒否として。

須田)何人かの香港の人に話を聞くと、「意図的にそうやった」ということです。いまは反愛国的な動きをすると、拘束されて刑務所に入れられてしまうという状況ですから、息を潜めています。けれども、必ずしも中国に対して従順になったわけではなく、抵抗の兆しは見て取れるのです。

飯田)これだけ締め付けたため、コロナも相まって一気に進んでしまったという感じがしますね。

やり方が下手な習近平体制 〜これによって台湾統一は難しくなった

須田)「習近平体制はやり方が下手だな」と思います。これによって、中国との一国二制度のもとでの台湾統一は、ほとんどできないという状況になります。

飯田)台湾を統一することが。

須田)台湾サイドがそれに応じないという状況になることを見越した上で、これだけあからさまなことをやっているのか。「力による台湾回収」という選択肢しかない状況に、自ら追い込んでしまったのかなと思います。

飯田)台湾は先日の住民投票でも、蔡英文政権を信任するという結果が出ています。国民党を使って工作しようとしても、結局効かないということになりました。

須田)「香港のようになっていいのですか。それが望みなのですか」ということになりますからね。かつての中国の外交というと、強かで、柳のようなしなやかさがあったのだけれども、まったくその辺りが見受けられなくなっています。

飯田)そうですね。

須田)軍事力はアメリカと肩を並べるくらいにまでなって来た。経済的にも、国富で世界ナンバーワンになって来た。しかし、この経済力が成せる自信なのか、やり方が下手ですよね。

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