「今年の漢字」、政界は? 財界は? そして……

「報道部畑中デスクの独り言」(第275回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、「今年の漢字」について—

2021年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「金」に決まり、京都・清水寺で森清範貫主が力強く揮毫(きごう)した=2021年12月13日午後(代表撮影) 写真提供:共同通信社

1年の世相を表す「今年の漢字」は「金」に決まりました。

東京五輪での金メダル、大谷翔平選手がアメリカ・メジャーリーグで大活躍し、「金字塔」を打ち立てたこと、コロナ禍で「給付金」が話題になったことなどがその理由のようです。その他の候補となったのは、「輪」「楽」「変」「新」だったということです。

この「金」という漢字、2000年、2012年、2016年に続いて4回目。いずれも五輪開催の年で、ほぼ4年に一度お出ましという感がありますが、漢字にも明るい輝きを求めているのかも知れません。ちなみに2016年の「金」は、「政治とカネ」の問題も選出の理由となりました。

そういえば、最近はいわゆる「文通費」の問題がクローズアップされています。結局、臨時国会での法改正は見送られてしまいましたが、「政治とカネ」の問題は永遠のテーマなのでしょうか。

経団連・十倉雅和会長

その政界、岸田文雄総理大臣は「拓」を挙げました。そのココロは……「新しい時代、新しい資本主義を切り開いて行く。来年(2022年)に向けての目標として、開拓の拓を選びたい」と述べています。

「山崎拓の“拓”ではないか」という皮肉な声もありましたが……真意やいかに? そして、東京都の小池百合子知事は「株」としています。

一方、私が取材を担当する財界でも、経済三団体のトップが「今年の漢字」をひねり出しました。経団連の十倉雅和会長は「連」を挙げました。

「地球温暖化の問題、(新型コロナウイルス感染症による)パンデミック……すべて一国では解決できない問題。各国が協力し、国際協調して連帯意識を持ってやって行かないといけない。“連なる”ということの重要性を意識させられた年だったのではないか」

日本商工会議所・三村明夫会頭

日本商工会議所の三村明夫会頭は「充」でした。

「“充”というのは、育てるという字の下に“人”がつく。人の力を育てるという意味で。数々の困難を体験したが、将来の新しい日本をつくるためにいろいろなことで充電した」

そして、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事は「卒」を挙げています。

「そろそろ既得権や緊急事態という思いから卒業しよう、コロナの危機から卒業しようということで“卒”をとりたい」

「連」「充」「卒」……いずれも今年の世相以上に、来年への期待が込められた一文字であるように感じます。

経済同友会・櫻田謙悟代表幹事

皆さまの今年1年の漢字は何だったでしょうか。僭越ながら、私は「金」と僅差であった「輪」としたいと思います。五輪開催の年ということもありますが、産業の視点で言えば、半導体不足や原材料価格の高騰でサプライチェーンの重要性が認識されました。チェーンは鎖を意味しますが、それを構成するのは「輪」です。

また、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉も今年に入ってようやく定着した感があります。もともとこの言葉は、2015年の国連サミットで採択されたもので、「貧困をなくす」「飢餓をゼロに」「健康と福祉」「質の高い教育」「ジェンダー平等」「安全な水とトイレ」など、17の目標が掲げられています。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)のロゴ=写真提供:共同通信社

菅政権が「グリーンとデジタル」「カーボンニュートラル」を旗印としたことで、この言葉がより身近になったのではないかと思います。そのSDGsのアイコンは17色の「輪」で表現されています。そうしたことも理由です。

実はこの「輪」という字も2013年に選出されています。この年は東京が2020年五輪の開催地に決定したこと、自然災害に対する支援の輪が広がったことが理由とされました。

こういう話題を取り上げると、いよいよ今年も押し詰まって来たなと実感いたします。次回は先ほど少し触れました菅政権の1年間について、側近の人物に話を聞きました。その模様をお伝えします。(了)

関連記事(外部サイト)