いまさら「まん延防止等重点措置」は効果があるのか 〜沖縄県で新型コロナ感染急拡大

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月5日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。沖縄県の玉城知事が政府に対し、「まん延防止等重点措置」適用の要請を検討する考えを示したことについて解説した。

変異株「オミクロン株」=2021(令和3)年12月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

沖縄県知事、「まん延防止等重点措置」適用の要請検討へ

沖縄県の玉城知事は1月4日、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、緊急の記者会見を開き、政府に対し「まん延防止等重点措置」の適用を要請することを検討する考えを示した。

飯田)沖縄県内の感染状況は、1月4日に新たに225人と発表されています。20代〜40代の感染者が多いことが指摘されています。

佐々木)「第6波に突入したと認識している」と玉城知事もおっしゃっています。確かに見ていると、東京の話にはなりますが、1月4日時点で新規感染者が151人です。年齢別で見ると、10歳未満〜10代が18人、20代が59人、30代が37人、40代が16人。60代以降は1人か2人で非常に少ない。お医者さんたちが情報発信をたくさんしていて、横断的に見ているのですが、「クリスマス前後の緩みが、いまに来ている」と言っている人が多いです。

飯田)クリスマス前後の。

佐々木)お正月休みの感染者が現れて来るのが、1月第2週の末ぐらいです。そこでどのくらい感染者が増えるかを見なければいけないと思います。いろいろな情報が出ていて、混乱していますが、まだオミクロン株ではなくデルタ株であるということや、増えていると言っても100人台、200人台です。アメリカでは1日に100万人ですからね。

飯田)100万人はすごい数字ですよね。

佐々木)フランスが1日で20万人です。「アメリカの新規感染者1日100万人は、どうやって医療を維持しているのだろう」とお医者さんたちがツイートしていて、どうなっているのかなという感じではあります。

3回目のワクチン接種と飲み薬の承認で病床ひっ迫は防げるか

佐々木)アメリカやフランスと、日本がなぜここまで違うのかはわからないのですが、少なくとも、2回目のワクチン接種に関しては8割ほど終わっているので、3回目のブースター接種を進める。治療薬も飲み薬が出て来ているので、それが早く承認されて、普通に使えるようになると、入院しなくても外来で治療できるようになるわけです。それらを踏まえれば、そこまで心配することはないのではないかと思います。

飯田)既にメルク社製の「モルヌピラビル」が承認され、ファイザー社製のものが取り沙汰されていますけれども、これを投与すれば、重症化は相当防げると言われております。そうすると、病床を占有するというところまで行かずに、抑えられるかも知れないですよね。

佐々木)そうですね。医療ひっ迫、医療崩壊までは進まないのではないかと思います。

感染者が多く、生産人口が一時的に減少しているアメリカ

佐々木)ただ、アメリカなどの報道を見ていると、「医療は崩壊していないが、出勤する人が少なくなって、仕事が成立しない」という問題が出ています。1日に100万人も感染すると、累計で何千万人にもなるではないですか。そうすると、一時的に生産人口が減るという恐ろしい現象が起きてしまっている。

飯田)特に航空便がキャンセルされるということが多いようですね。

佐々木)医療よりも「インフラ維持ができるのか」という新たな問題が出て来ています。日本がそこまで行くとは思えませんが、そういうことも視野に入れた方がいいでしょう。

いまさら「まん延防止等重点措置」を適用しても効果はあるのか

飯田)今回、沖縄県知事が「まん延防止等重点措置」適用要請を検討するということですが、まん延防止等重点措置は出す基準が変わったのではなかったかと思うのですが。

佐々木)基本的には「数が増えたから」ではなく、「医療がひっ迫するかどうか」でアラートレベルを考えましょうと、2021年の秋ごろにコロナ分科会の尾身茂先生がおっしゃって、方針変更しました。ただ、いまさら「まん防」をやっても、みんな素直に聞くのでしょうか。

飯田)東京の空気感はそうですよね。

佐々木)ようやく2021年の秋ごろに、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言も全部終わって、夜も会食できるようになり、「ああ、よかったな」と。飲食業の人や観光関係の人はホッとしていると思います。ここに来て、第6波と言いながら、また「酒・会食の自粛」と言っても効果はないのではないでしょうか。まん防や緊急事態をやるよりも、とにかくブースター接種を急ぐ、治療薬の確保などを進めた方が効果的だと、個人的には思います。

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