香港も新疆ウイグル自治区のような「厳しい監視社会」になるか 〜香港立法会が開会

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月13日放送)に多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授・事務局長の井形彬が出演。開会した香港立法会について解説した。

中国西部・新疆ウイグル自治区カシュガル地区で、巨大なスクリーンに映し出された中国の習近平国家主席(中国・カシュガル) AFP=時事 写真提供:時事通信

香港立法会が開会

香港の議会にあたる立法会が1月12日、親中派で議席が占められてから初めての会期を始めた。香港政府は2020年に施行された国家安全維持法に加える独自条例の成立を目指している。

飯田)翼賛議会になったというような見出しも立っていますが、中国、北京政府側は着々と進めているというところですか?

井形)残念ながら、これは既定路線でして、選挙のときに民主派を全員排除するとなっていたころから、こういう結果になるのはわかっていたことです。

飯田)コロナ禍であり、海外メディアが取材しづらい状況にもなっているなかで、一気に進んだ感じがありますね。

新疆ウイグル自治区の前武警総参謀長が香港駐屯軍の新司令官に

井形)いままではウイグルだったのが、次は香港。香港を制圧したら、「次は台湾だ」という危機感を持っている方は多いと思います。

飯田)報道が出ていましたが、中国人民武装警察部隊(武警)の前副参謀長で、新疆ウイグル自治区の武警総参謀長を務めたという経歴を持つ人が、中国人民解放軍香港駐屯軍の新しい司令官に就任しました。専門の方々からすると、かなりの衝撃があるようですが。

井形)まさに衝撃です。

飯田)どういう人なのですか?

井形)ウイグルでどういうことが起こっているかというのは、日本語ではそこまで資料が出ていないのですが、英語のものではオープンソースという、誰でもアクセスできる情報が公開されています。そこでは、ありとあらゆる人権侵害が行われているということが、かなり明白になっています。

飯田)オープンソースによって。

井形)強制収容所の話や強制労働の話、また、場合によっては、女性に対して強制不妊手術を行っているのではないかという情報が出ています。香港でまったく同じようなことをするというわけではないのですが、香港に対しても、「しっかりと縄をかけて縛るぞ」ということが姿勢として見られます。

香港も新疆ウイグル自治区のような厳しい監視社会になる可能性は高い

飯田)新疆ウイグル自治区では、街中はもちろん、家庭のなかにも監視カメラがあるという報道がされていますが、香港にもそういうメソッドを使って来るかも知れない。

井形)特に新疆ウイグル自治区ですと、中国の監視社会が最も進んでいると考えられています。いろいろな報告書や研究を見ますと、顔認証で自分の顔のデータが取られているのはもちろんのこと、虹彩パターンや声紋。また、PCやスマホからアクセスしたデータなど、ありとあらゆるデータが収集されてしまっている。その状況が今後、香港でも進むのではないかという危機感は強いと思います。

飯田)そうすると、ビジネスの流動性はなくなって来ますよね。

井形)日本企業も含めて、海外企業にとって、これまで香港で行っていたビジネス環境の前提条件が変わっています。「いままで通り香港でビジネスを続けられるのか」という疑問を持ち始めているところは多いのではないでしょうか。

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