沖縄・名護市長選挙で現職・渡具知氏が当選した「3つのポイント」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月24日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。沖縄・名護市長選挙の結果について解説した。

沖縄県名護市長選で再選を決め、花束を受け取る渡具知武豊氏(右)=2022年1月23日夜 写真提供:共同通信社

沖縄・名護市長選挙、現職の渡具知武豊さんが当選

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渡具知武豊氏)正直に言って大変嬉しいです。二十数年前から辺野古移設の件についてはいろいろな経緯があります。私の置かれた立場は国と県との推移を見守ること以外にありません。

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任期満了に伴う沖縄県名護市長選挙は1月23日に投開票され、自民党と公明党が推薦した現職の渡具知武豊さんが2期目の当選を果たした。投票率は4年前の前回を8.6ポイント下回る過去最低の68.32%となっている。

飯田)2022年は沖縄返還50年の年でもあり、選挙イヤーでもあると言われていますが、その口火を切る名護市長選挙でした。

須田)辺野古の地元でもありますし、沖縄にとっては選挙のスタートということもあるので、非常に重要な選挙と位置付けられています。国政の与野党ともに全力で取り組みましたが、結果はこのような形で、自公推薦の現職の方が当選されました。

移設反対は指示されなかった 〜経済や子育てなどの問題もやって欲しい

須田)一部メディアでは、これによって「辺野古移設の賛成という民意が示されたわけではない」と言われていますが、私はそうは思いません。

飯田)そうではない。

須田)ポイントは2つあって、確かに渡具知さんはこの件について、「国と県との争いの推移を見守る」という形で賛否を明らかにしませんでしたが、一方の岸本さんの方は明らかに反対を訴えていた。それが支持されなかったことは、「移設反対は支持されなかった」という民意が示されたのではないかと思います。

飯田)なるほど。

須田)もう1つのポイントとしては、それ以外にも、経済の問題や子育ての問題など市政が抱える問題はたくさんあります。そのようなところも「バランスよくやってくれ」という意見が示されたのではないでしょうか。

若い世代が渡具知氏を選択 〜崩れた「オール沖縄体制」

飯田)地元放送局の出口調査結果などもいろいろと出て来ていますが、世代別で見ると若い人、特に20代の方だと岸本さんに入れた人が10%台半ばで、圧倒的に渡具知さんが多かった。そして年齢が高くなるにつれて、岸本さんに入れる人が多くなっている。子育て支援などのいろいろな政策を出して来た現職ということも注目点としてはあったわけですよね。

須田)身近に抱えている問題をどうにかして解決して欲しいというのが、普通の市民感情ではないかと思います。今回もう1つ大きなポイントを挙げるとするならば、「オール沖縄体制が崩れた」ということです。いままでは一定の保守勢力を巻き込んで、オール沖縄という形をつくって来ました。これが先の知事選では大きな勝利に結びついたのですが、いまは保守勢力が離れて、左派リベラル勢力で「オール沖縄」を名乗っているのだけれど、それはオール沖縄ではないだろうという意見もあります。

飯田)保守勢力が離れて。

須田)そうなると、立憲、共産の軸が露わになるのです。つまり、先の衆議院選挙と同じ構図で、共産党に対してアレルギー反応を持っている人たちは離れてしまうのです。それがオール沖縄という大きな枠組みであれば、さほど目立たないのだけれど、市長選というなかでは、立憲、共産という軸が有権者に支持を得られなかったのではないかと思います。これは、今後の大きな課題になると思います。

南城市長選でも自公推薦候補が当選

飯田)オール沖縄について、保守側で県連幹事長まで務められた故・翁長さんが主導してつくったというところもあり、観光グループなどの財界支援がありました。それが離れてしまったということは大きいのでしょうか?

須田)大きいですね。資金などの問題以上に、そこが離れてしまった結果、「そういうことね」という本質が見えてしまったのではないかと思います。同じ日に投開票された南城市の方も、同じ沖縄の市長選挙だったのですが、オール沖縄体制で当選した現職が落選して、自公推薦の方が当選を果たされたという点にも意味があると思います。

玉城知事サイドに残された課題

飯田)全体の流れが変わって来るなかで、今後、参院選や知事選も控えている。いままでとは流れが変わると思いますか?

須田)特に知事選が参院選以上に大きな意味合いを持つのだろうと思いますが、戦略の練り直しができるのかできないのかを含めて、このままの体制の枠組みで走って行くのか、違う形を考えるのか。それが1つの課題として、玉城知事サイドに残ったのではないでしょうか。

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