とにかく「安全運転」を目指す岸田政権 〜衆院予算委員会始まる

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月24日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。基本的質疑が始まる衆議院予算委員会について解説した。

政治 記者団の取材に応じる岸田文雄首相=2022年1月6日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

衆議院予算委員会、1月24日から基本的質疑始まる

衆議院予算委員会では、1月24日から岸田総理大臣と全閣僚が出席し、基本的質疑が行われる。2022年度予算案の実質的な審議が始まる予定で、与野党の論戦が本格化する見通しだ。

飯田)夏に参院選を控えて、与野党がどのように動くのかというところですね。

須田)通常国会のため、もちろん予算案が最優先なのですが、岸田政権としては「とにかく安全運転」ということで、年度内の成立はほぼ間違いないだろうと思います。

対立する法案は控えて安全運転を目指す岸田政権

須田)それ以外の法案についても、できるだけ提出本数を絞り込んで、とりあえず予定会期内に終わらせる。そして参院選に突入して行くという予定を描いていますから、あまり対立の構図には持って行かないのだと思います。

飯田)対立構図には。

須田)少なくとも、対決法案と呼ばれている、野党が全面的に反対するような法案に関しては、かなり慎重姿勢で提出を控えるという状況なので、激突の構図は見えにくいと思います。

野党は何を仕掛けて来るのか

飯田)予算以外だと、子ども家庭庁(子ども庁)の設置に関わる法案や経済安全保障に関するものが、一応予定はされていますが、その辺も国会の情勢によっては、どちらも出して来るかどうかわからないということになりますか?

須田)野党としても、何かに反対して国民に訴えて行かないと参議院選挙は厳しい状況になるので、何を持って仕掛けて来るのかというところはあります。ただ、強行採決のようなシーンは出さないような体制を、与党としては取って行くのだろうと思います。

立憲民主党は共産党と組むのか、組まないのか 〜統一的なスタンスが取れていない

飯田)野党第1党は立憲民主党ですが、泉さんになってから本格的に論戦になるのは、今回の国会ということになります。提案型にするのだと言いつつ、対決姿勢を見せないとなかなか参院選に向けて厳しくなるというところで、どのように仕掛けて来るのでしょうか?

須田)埋没してしまうということなのでしょうけれど、その辺も方向性がきちんと定まっていないように感じます。共産党とこれからどのような連携をして行くのかについても見えにくい状況です。

飯田)共産党との連携。

須田)参議院選挙が近付いて来ると、1人区の扱いが焦点になると思いますが、そのなかで立憲民主党単独では少しおぼつかない。かと言って、国民民主党がそっぽを向いている状況のなかで、「共産党と組むのか、組まないのか」というところが焦点になります。しかし、立憲民主党のなかで統一的なスタンスが取れているのかと言うと、その辺がどうも怪しい。

飯田)統一的なスタンスが。

須田)正しいかどうか怪しいのですが、一部の報道では、いまの執行部に反発して枝野さんたち立憲民主党の創始者グループが「40人くらい引き連れて出て行き、新党をつくるのではないか」という憶測が出ていました。しかし、私はその可能性は限りなくゼロに近いと思います。ただ、そのような観測が出て来るのも、深刻な路線対立を抱えているからではないかと思います。

記者会見で質問に答える立憲民主党の泉代表=2021年12月24日午前、国会 写真提供:共同通信社

立憲民主党の「CLP」問題 〜間に入ったWeb制作会社の代表

飯田)党内で調査を行って「沙汰なし」で終わりましたが、CLP(Choose Life Project)と呼ばれるネットメディアに対して、どのようにお金を流していたのかというような話もありました。

須田)新聞やテレビ等の既存メディアが、「これを開けてしまったら、パンドラの箱を開けるぞ」とそっぽを向いてしまったという問題があると思います。Choose Life Projectに渡った約1500万円のお金は、もともとは立憲民主党から大手広告代理店、映像制作会社、そしてCLPに入っているのですが、立憲民主党から出たお金とCLPに入ったお金の間に、数百万円の齟齬が出ているのです。

飯田)その間に。

須田)間に入ったWeb制作会社が中抜きしたのではないかと言われています。さらに言えば、そこの代表が立憲民主党とCLPをつなげたのではないか。これは偶然なのかも知れませんが、そこの代表はもともとピースボートの共同代表なのです。そのようなことから考えても、立憲民主党と近しい関係にある。加えて、いまの政調会長である小川淳也さんの映画などにも深く関与しているのです。

飯田)『なぜ君は総理大臣になれないのか』というドキュメンタリー映画ですか?

須田)はい。その代表は小川淳也さんと一緒に本なども出しています。その辺りも考えて行くと、相当根深い問題を抱えているのではないかと思います。

飯田)あのヒアリングのなかで、「当時の福山幹事長が理念に共感したからお金を出したのだ」という話が出ていました。前執行部の方々は、その辺も含めて知っていらっしゃるということなのでしょうか?

須田)ただ、ヒアリングに関しては、西村智奈美幹事長と逢坂誠二代表代行が福山さんにヒアリングをしたのですが、福山さんは憮然とした表情でほとんど語っていないようなのです。あの調査自体がきちんと行われたのかという疑問もあります。

公明党に配慮ができない茂木幹事長 〜ギクシャクする自公連立

須田)野党ばかりではなく、与党側も自公連立がギクシャクしているのです。

飯田)こちらはこちらで、推薦を出さないというような話も公明党の方から出ていますね。

須田)この件が揉めたのは、公明党の場合は常勝関西と呼ばれていて、兵庫と大阪は特別扱いなのです。兵庫は今回厳しいということもあって、自民党の推薦が早く欲しいという気持ちがある。普通であれば、2021年の夏ぐらいから選挙戦を本格化させないといけないのに、自民党の動きが鈍いということで、「舐めているのか」と怒ってしまい、「自民党の議員に対して推薦をしないぞ」ということになってしまっているのです。こちらはこちらで揉めています。

飯田)前回の衆院選のときも、広島3区をめぐって後任をどうするかで揉めていましたよね。最近は選挙でぶつかりますね。

須田)公明党に太いパイプを持っている人が現自民党執行部にいないものですから、この問題に関しては、とにかく茂木幹事長の動きが鈍すぎるのです。

飯田)選挙を差配するというと、選対委員長はもちろんいますが、このような問題の場合はとにかく幹事長です。そして石井幹事長との2人の話し合いが大事になって来ますか?

須田)やはり「二階・林体制」とは全然違います。

飯田)あのときはいろいろなパイプがあったという話があります。

須田)公明党に対する配慮もきちんとしていました。その配慮という点が、いまの茂木さんにはできないのです。

飯田)杓子定規になってしまっているところがありますね。

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