コロナ禍で日本に入国できない留学生 〜その結果起こる様々な日本への悪影響

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月10日放送)に多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授・事務局長の井形彬が出演。国立大学協会が留学生の入国緩和を求める内容の談話を発表したというニュースについて解説した。

日本語学校などでつくる団体が開いた、日本への入国を待つ留学志望者のオンライン交流会=2021年7月19日 写真提供:共同通信社

留学生の入国緩和に対する要望

国立大学協会はコロナ禍での海外からの留学生受け入れについて、国民の理解を求める談話を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で留学生受け入れに懸念を持つ人がいるが、未来に向けた人材育成は絶え間なく続けなければならないとして理解を呼び掛けている。

日本に来ることができず、韓国やシンガポールに行く例も

飯田)自民党でも文部科学部会のなかで、「受け入れを再開すべきだ」という声が相次ぎ、要望書をまとめて来週にも総理官邸、あるいは末松文部科学大臣に提出する方針だそうです。前回、井形さんにご出演いただいた際、まさにこの話をされていました。

井形)日本が好きで、日本に来てビジネスをやっている外国人の方や、日本が好きだから日本に投資する、あるいは日本が好きだから日本に留学したいという学生さんなどが多くいるのですが、コロナ禍で日本に来られなくなり、仕方がないから韓国やシンガポールに留学する、会社を建てるというような事例が出て来ています。

将来、「日本が好きだから日本を研究し続ける」という研究者がいなくなる可能性も

飯田)国立大学協会も「絶え間なく続けなければならない」としていますが、一旦止まってしまうと、再開は難しいということですか?

井形)こういうことは短期的な話ではなく、長期的にジワジワと効いて来るものなのです。現在40代〜50代くらいの外国人で、日本を専門にしている研究者を見ると、必ず日本に来た経験があります。留学、あるいは「JETプログラム」という、外国人が日本の高校に来て、英語を教えながら日本文化を知るというプログラムがあります。

飯田)JETプログラム。

井形)そういうものを通じて日本に来て、「日本が好きだから日本を研究し続ける」という方々が多いのです。そういう方々が10年後、20年後にいなくなってしまうという危険性もあります。

アメリカとカナダの日本研究者が「留学生や研究者の入国を認めて欲しい」と書簡を政府に送付

飯田)留学生の方々が個別にネット上で訴えています。「私たちも隔離措置が必要なことは理解できる」と。「2週間でも3週間でも待ち、全部従うのに、どうして入れてくれないのか」と、半ば嘆願のようになっていますよね。

井形)先日、アメリカとカナダで有名な日本研究者の方々が集まり、「留学生や研究者の入国を認めてください」という書簡を日本政府に送ったのです。

飯田)研究者の方が。

井形)アメリカでもアメリカ商工会議所のようなものがありますが、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、欧州が連盟で「何とかしてください」と。G7諸国を含む主要な経済パートナーと比較しても、日本への入国は依然として困難で「懸念が残ります」と訴えています。

飯田)名前の挙がった国々は、ほぼG7各国。

日本からの留学生を断る国も出て来ている

飯田)世界の経済を牽引している国々です。そこから見ても、日本の水際対策は厳しすぎると見ているのですか?

井形)これらの措置は、海外から人が入れないだけではなく、日本人も外に行けなくなるというリスクも上がっています。

飯田)日本人が外国に行けない。

井形)留学生の話に戻りますと、大学間の留学は、基本的には交換留学です。「1年間、日本から海外の大学に行くので、その大学からも誰か1人受け入れましょう」という相互主義が基本となっているのです。しかし最近は、海外の大学から「うちは日本の学生を受け入れるのに、日本政府の政策とは言え、こちらからの留学は受け入れてもらえないのであれば、日本人の学生は受け入れません」ということを言われ始めています。

飯田)先日、日本経済新聞が書いていましたけれど、

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『「コロナ鎖国」で日本離れ シーメンス、投資保留 事業継続へ人材入れる必要』

〜『日本経済新聞』2022年2月7日配信記事 より

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飯田)……という記事のなかで、名古屋の名門である南山大学が、実際にそういう打診をされたようです。

井形)そうなりますよね。

飯田)一方で、まん延防止等重点措置を3月6日まで延長する方針も決まりました。水際対策は2月いっぱいと言われていますが、日本は4月から新学期ではないですか。もう既に影響が出ていますか?

井形)欧米圏であれば、6月まで高校や大学に行っていて、9月入学ができるところに入るケースもあります。ですので、4月に間に合わなくてもいいのですが、早いに越したことはないですね。

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