「中国の人権問題」日本は襟を正して世界に模範を示すべき

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月14日放送)に元内閣官房参与で前駐スイス大使の本田悦朗が出演。日米韓3ヵ国の外務大臣がハワイのホノルルで外相会談を行ったというニュースについて解説した。

政協全国委、新年茶話会を開催(北京=新華社記者/鞠鵬)= 2020(令和2)年12月31日 新華社/共同通信イメージズ

日米韓外相会談 〜ハワイで開催

日本、アメリカ、韓国の3ヵ国の外務大臣は2月12日、ハワイ・ホノルルで外相会談を行った。共同声明では、台湾海峡における平和と安定の重要性を強調。中国を念頭に「現状変更を試み、緊張を高めるいかなる一方的な行動にも強く反対する」と表明している。

飯田)日米韓外相会談は、2021年9月以来ということで、林外務大臣が出席して行うのは初めてでした。アメリカはブリンケン国務長官、韓国は鄭義溶外相が出席しております。北朝鮮を睨みながらのようですけれど、本田さんはどうご覧になりましたか?

本田)日米韓は、常に連携することが大事なのですが、共同声明にもあるように、中国と台湾との関係。これはロシアとウクライナの関係と似たところもありまして、「何が正しいか」という筋を通すなかで、対応は現実的に行うことが必要ですが、その筋が大事だと思います。

飯田)筋の部分というのは、やはり自由で開かれた、というところですか?

本田)自由で開かれた民主主義ですね。それをいかに貫徹するか。そうは言っても、世の中にはいろいろな事情がありますから、現実的に対応しなければなりませんが、原理原則は守るべきだということです。世界が見ていますから。

北京オリンピック中でも、ロシアが隙間を縫って来る可能性はある

飯田)ウクライナの話が出て来ていますが、中国でオリンピックが行われているなかで、中国が南シナ海や尖閣諸島をめぐってどう動くのかということが、議論として後ろに下がった感じがあります。日本としては、これを怠ってはいけないわけですよね?

本田)オリンピック開催中は特殊な期間なので、ウクライナ問題もオリンピック中には動かないのではないかという話もあります。スポーツに政治を持ち込まないということが正しいのかも知れません。ただ、前回の北京オリンピックの例がありますから、油断はできません。

飯田)2008年の北京オリンピックのときに中欧、ヨーロッパで何が起こったかと言うと……。

本田)ロシアが新冷戦と言われるような形で、南オセチア、アブハジア地域に侵攻しました。いろいろな隙間を縫って来る可能性がありますので、そこは要注意ですね。

日本はリーダーとしての立場を回復しなければならない

飯田)日米韓と言いながら、こうやって中国の影を見ながらやる形になりました。日本としては、経済力がないと対抗できないと思っておいた方がいいですよね。

本田)おっしゃる通りですね。経済だけではないのですが、国力のバランスが重要なのです。バランス・オブ・パワーですね。いままでは中国、日本がバランスを取っていて、韓国もいいバランスを取っていた。そこに巨大なアメリカがいたのですが、この10年〜15年で日本の弱さが目立って来ました。何とかして挽回し、日本はリーダーとしての立場を回復しなければいけないと思います。

中国の人権問題に対して日本は襟を正して世界に示すべき

飯田)その一方で「自由で開かれたインド太平洋」という旗も掲げましたけれども、外交面で考えると、アジア各国の日本への期待は高くなったような気がしなくもないのですが。

本田)高いと思います。相対的なものもあります。日本は一貫して自由民主主義の重要性を説いていますけれども、相対的に中国が人権問題でああいうことをしでかしているときに、どこの国が模範を示せるのか。そういう意味では、もちろんアメリカもそうですけれども、日本は襟を正して世界に示して行くことが重要です。

飯田)人権に関して懸念があるから、外交ボイコットをするのだと。そういう意思表示を西側各国がしているなかで、今回の日本の対応はどうでしたか?

本田)対応は現実的にということもあります。今回のウクライナ問題に関しても、対応については私なりの意見も持っているのですが、やはり中国の場合、あまりにも人権侵害がひどいのではないかという気がします。

飯田)そうですね。

本田)私は中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、キルギスなどで働いていました。新疆ウイグルはすぐ隣です。私の同僚にも新疆ウイグル育ちの女性がいました。新疆ウイグルは中国領なので、彼女は中国のパスポートを持っているのです。しかし、教育はアメリカで受けたと。心のなかは完全に中央アジアでイスラム教です。そういう人たちは、激しく中国のことを憎んでいます。非常に複雑な文化的背景、歴史的背景を考えなければいけないと思います。いまに始まった話ではないのです。

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