日本はウクライナからの難民を受け入れるべき 〜その背景にあるもの

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月2日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。ウクライナから脱出する難民の問題について解説した。

入国審査を終えてポーランド南部メディカに入ったウクライナの人々=2022年2月25日 写真提供:産経新聞社

ウクライナからの脱出難民、67万人超

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ国連難民高等弁務官は、3月1日の記者会見で、ウクライナから国外に脱出した難民は67万7000人に上ったことを明らかにした。かつてソ連圏にあった東欧のポーランドやハンガリーは、ウクライナ難民支援で欧州連合(EU)の先頭に立っている。

飯田)ウクライナから難民の方々が脱出しています。特に女性や子どもが多いということですが、日本は何をするべきなのか。佐々木さんもツイッターで論考を発信されています。

佐々木)自民党の塩崎彰久さんが「日本も積極的に受け入れて、今回は特例でやった方がいいのではないか」とおっしゃっていますが、私も強く賛同します。

「日本はいざというときには難民を受け入れるのだ」という対外的なイメージをつくるためにもいい機会

佐々木)対外的なイメージで、日本は鎖国している印象が強い。今回のコロナ禍でも、緩和はされましたが、水際対策で外国人を入れませんでした。

飯田)留学生なども入国できませんでした。

佐々木)しかし、第二次世界大戦中に逃れたユダヤ人たちに大量のビザを発行した、杉原千畝のような人もいたのです。

飯田)樋口季一郎もユダヤ難民を救いました。

佐々木)「日本はいざというときには難民を受け入れるのだ」という対外的なイメージをつくるためにも、いい機会だと思うのです。

飯田)いい機会であると。

佐々木)移民・難民の問題は難しくて、単純に「難民を受け入れればいい」というリベラル的な仕草がいいということでもありません。シリアなどから始まった中東危機でヨーロッパが大量の難民を受け入れ、逆にそれが社会の混乱を招いて、極右政党のような組織の台頭を許したという側面もあるので、単純に言えないところはあります。

ウクライナからの難民を少し受け入れて「日本社会がどう反応するのか」を試験的に見るいい機会

佐々木)しかし、移民・難民に対して、日本は過剰に恐れすぎていると思うのです。「実際に移民・難民を受け入れたらどうなるのか」ということに対して、想像力が若干足りていないのではないでしょうか。

飯田)想像力が。

佐々木)今回のロシア軍のウクライナ侵攻をきっかけに、ある程度の規模の難民の人たちを受け入れて、「日本社会がどう対応するのか」という様子を見るための壮大な実験とする。そういう形で少し難民を受け入れてみて、国内の世論や、社会との関係性を試験的に見るいい機会なのではないかと、個人的には思います。

親日感情の高いウクライナ人

飯田)かつての大戦のときの故事に倣う。あるいは、さまざまな国で行われていますが、緊急避難的に受け入れる。定住するかどうかはまた別の問題であって、そこからさらに第三国へ移って行く人もいるということを考えると……。

佐々木)一時受け入れ先としてはいいと思うのです。特に今回のケースに関して、日本はヨーロッパから遠いので、有事になる心配はないという前提で考えると、ウクライナの方々も安心できるのではないでしょうか。

飯田)そうですね。

佐々木)ウクライナ人は、いろいろ見聞きしていると、親日感情が高い。なぜ高いかというと、日露戦争に要因があります。

飯田)日露戦争。

佐々木)ロシアに対して、東欧の国は複雑な感情を抱いています。かつてソ連だったということもあるのだけれど、一方でソ連崩壊後、みんなこぞってEUやNATOに行ったのは、「ロシアが怖い」という思いがあるからです。

チェルノブイリ原発事故と福島原発事故という類似点も

佐々木)ウクライナはロシアを挟んで、ちょうど対岸に日本がある。しかもチェルノブイリ原発事故があり、日本では福島原発事故があった。ロシアに対する地理的条件や、原発事故においての立場が似ているところがあるので、親日感情があるのです。

飯田)なるほど。

佐々木)そこを融和的に受け入れるというのは、いいことではないかと思うのです。

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