「トリガー条項凍結解除」がなければ対応は難しい 〜ガソリン補助金では長期的な効果は望めぬ

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ガソリン補助金の支給額が1リットルあたり15円前後になるというニュースについて解説した。

ガソリン価格、急騰対策後も上昇=2022年2月2日午後、東京・東池袋のガソリンスタンドで 写真提供:産経新聞社

ガソリン補助金

政府が上限の増額を決めてから初となるガソリン補助金の支給額が、1リットルあたり15円前後となることが関係者の話でわかった。3月9日に正式発表し、10日から適用される。9日に発表するレギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり175円前後の水準で、9週連続の値上がりとなる見通しだ。

飯田)国際情勢もあり、原油の値段は高止まりという感じです。足下、アメリカ、WTI原油先物での原油価格の指標は、1バレルあたり124ドル70セント。イギリス、北海ブレントでの指標は1バレルあたり129ドル27セントということです。

高橋)高いですね。トリガー条項の凍結解除についてですが、自民党が「約束していません」とはっきり言ってしまったのですよね。

飯田)岸田総理はそういう答弁を国会でもしました。

高橋)当面、補助金で対応するのは仕方ありませんが、長期的にはトリガー条項の話まで行かないと大変だと思います。中長期的に見たら、「当面は補助金で」というのはわかりますけれどもね。ロシア産の原油を輸入しないというような制裁措置もあるのでしょう。

飯田)アメリカが発表し、イギリスもそれに追随するという話です。

高止まりする可能性の高いガソリン価格 〜場当たり的になっているアメリカ

高橋)供給がなくなるから、ドイツはまだそれは言わないでしょう。要するにガソリン価格は高止まりする可能性の方が遥かに高いですね。

飯田)それに対して、OPECも「だからと言って増産はできない」と釘を刺しています。

高橋)アメリカがシェールガスを増産しないと解決にはならないと思いますが、たぶんできないでしょうね。

飯田)それができないから、アメリカはベネズエラから輸入するという話もあります。

高橋)わけがわからなくなってしまった。

飯田)マドゥロ政権への制裁だったはずなのに。

高橋)場当たり的になっていますよね。

原発再稼働なく、エネルギー価格は高いまま

飯田)本来であればある意味、税金の構造そのものを見直さなければいけないくらいの話ですが。

高橋)「トリガー条項の凍結解除はできない」と、私の周りにいる自民党の人も言って来ます。気持ちとしては、「いまは言わないでくれ」ということなのでしょうけれどもね。でも、それではガソリン価格に対応できなくなります。他のエネルギーを使うとなると、原発の再稼働を考えざるを得なくなるのですが、再稼働していない。日本は国内自給率的に不利なのですよね。

飯田)4月以降、電気料金も上がるのではないかと言われています。当然、ガスの価格も上がっているからそうなってしまうということですね。

高橋)原子力規制委員長が今度、変わりますけれども、変わるまでは原発の再稼働は難しそうですね。エネルギー価格は当分、高いままでしょう。

八方塞がりの状況

飯田)政治的なところでは、国民民主党の玉木代表が公明党の山口代表と会談しました。自民・公明・国民民主で、3党の党首会談を開こうという話も出ているようですが。

高橋)やってくれるならいいですけれどね。「頑張って」と思いますけれども、自民党サイドもそう簡単にトリガー条項の凍結解除はやらないようですね。原発の再稼働もできない、アメリカのシェールガスも増産しないと。本当に八方塞がりになっていますね。

トリガー条項の凍結を解除すると地方財政に穴が開く 〜予備費で対応できる

飯田)ガソリン価格は、リッター175円前後が全国平均と言われますが、半分より少し多いくらいが税金になっていて、その税金の上に税金が乗るという、消費税の二重課税問題などを抱えています。ここに手をつけたくないのはなぜですか?

高橋)わからないですね。説明を聞いていると、「地方の方が大変だ」とか、いろいろな言い方をするのだけれど。

飯田)6日に世耕参院幹事長が「トリガー条項の凍結解除をすると、地方財政に穴が開いてしまう」と言っています。

高橋)そのくらいであれば予備費で対応できてしまいます。それほど大きな金額ではありません。玉木さんも、地方の予算措置の話は何とかなりそうだというのは、彼は財務官僚だからわかるのです。しかし、法改正だけはできない。政治的に了承を得なければ法改正できないのです。それをいまやっているのだと思います。

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