14時台の「電力使用量107%」……え? 100%を超えても停電しないってどういうこと!? 辛坊治郎が『初の電力需給逼迫警報』を解説

14時台の「電力使用量107%」……え? 100%を超えても停電しないってどういうこと!? 辛坊治郎が『初の電力需給逼迫警報』を解説

電力使用量「100%超」を解説

キャスターの辛坊治郎氏が3月22日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。この日政府が1都8県に発令した、初の電力需給逼迫警報について解説した。

※イメージ 高圧電線

16日に東北地方を中心に起きた地震による一部の発電所の停止や関東地方の気温の低下で電力が不足し、政府は1都8県に初の電力需給逼迫警報を発令した(※編集部注:この日の21時前に経済産業省は「本日中の停電のおそれは解消」と発表したが警報は継続)。引き続き節電への協力を呼びかけている。

辛坊)とにかく大変なことになっています。どのくらい大変なのかというと、22日の14時台で既に最新の東京電力管内の電力使用量が107%になっていました。そもそも「107%」っておかしいだろう? という話ですよね。電力供給量がたとえば100として、電力の使用量が100だとすると、ちょうど100という計算ですよね。ざっとかなり適当な数字を言いますが、たとえば400万kW発電量があるとして、400万kWをみんなが使っているとちょうどイーブンですから、これで100%ですね。しかし、「100を超えるというのはどういうことだ」「それは停電しなければおかしいではないか」という話なのですが、これが停電しないようになっているのは、基本的にこの計算の基になっている「この時間帯にこのぐらい電力供給できますよ」ということをベースに物事を計算しています。

たとえば、4000万kW供給できるのだけれど、電力使用量が4400万kWになっています、ということになると、10%オーバーしてるから110%という数字になります。何故そのようなことができるのかというと、電気というものは供給量と使っている量が基本イーブンになるように、常に細かくコントロールしてるのです。それが、たくさん供給してしまうということにはならないわけです。なので、「自然エネルギー」が増えてくると、なかなかこのバランスを取るのが大変だという話になってくるのです。

では、そのもともと4000万しか供給できなかったものが、何故4400万でもいけてしまうのか、どのようにしてそのバランスを取るのかというと、ここで登場するのが主力になっている揚水発電というものです。これは調節用のものなので、基本的にこの時間帯にはMAXでここまでしか供給できませんよ、というのにはそれは含まれてはいません。

増山さやかアナウンサー)ストックしてあるのですか?

辛坊)そうですね。どのようなものなのかというと、電気が余っているときに水を汲み上げるのです。ガンガン水を汲み上げて、ダムの上に水を上げてしまいます。そして、ダムの上に水を上げておいて電力が足りなくなってきたら、その上から水をどかんと落とすのです。要するに水力発電ですね。なので、電力の需要が増えてくれれば増えた分だけ、タービンを回して上から水を落として、なんとかギリギリバランスを取っています。しかし、数値の発表上は、たとえば4000万を上限とするならば、4400万に達した場合は、110%の供給量で、電力供給が110%ということになります。

ところが問題があって、これは電力が余ったときに、その水を汲み上げてダムの上に溜めておくので、電力が足りなくなったら上からガンガン落とすわけです。なので、基本的に夜中辺りに電力が余ってしまっているよな、というときになるとそのストックができるのですが、そのストックができるまでは電力が足りなかったら上からどんどん水を落とし続ける必要があります。水を落とし続けると、なくなってしまうのです。もうこれ以上水を落とせません、ということになったら……

増山)大変ですよね。

辛坊)大変ですね。どうも東京電力の発表によると、このまま使い続けると22日の夜の8時ぐらいには揚水式の水力発電の運転ができなくなってしまう可能性がある。(編集部注:これは22日16時ころの状況)

増山)そちらの予備の運転の方もできなくなってしまうのですか?

辛坊)そうですね。そうなると、次に待っているのは残念ながら最悪の事態の停電ということになるのです。そのために東京電力も呼びかけていますし、政府も呼びかけていますし、私もここで呼びかけます。私はあまり電力会社や政府のお先棒を担ぐのは嫌なので本当は言いたくないのですが、今日は言ってしまいます。というのは、この世のなかで電気が足りなくなると命に関わりますからね。そのような事態を迎えないために唯一できるのは、特に我々一般の人間ができるのが電気を使わないことしかないのです。

東電 変電所・データセンター

増山)こまめに無駄なところとかをカットしていかなければいけませんね。点けっ放しとか大変ですね。

辛坊)そうなのです。意外と無駄なところに電気が点いています。このスタジオの明かりにしても無駄といえば無駄ですよね。

増山)いっそこの電気も消してしまったらどうですか?

辛坊)照明がなくても私たちは別に喋れるし何とかなりますよね。しかし、そのようなことは大切です。少しずつ消しましょう。各人がそのようにして1割落とすことができたら賄えますから。

増山)全員で。

辛坊)そういうことです。何故急に22日に電気が足りなくなっているのかというと、要素がいくつかあって、最大の要素は寒さです。暖房需要で電気がたくさん要ります。タイミングが悪かったのは、ついこの間地震がありましたよね。あの地震のせいで一部の火力発電所がいま止まっています。そのため電力供給量が落ちているところに寒いものだから電力の需要がドカンと増えた上に、この天気で太陽光発電が機能しないのです。

増山)お日様が出ませんからね。

辛坊)一昔前は3月のような時期に電力が足りなくなるということはありませんでした。電力が足りなくなるといったら、もう真夏の暑い時期、工場稼働しています、高校野球やっておっさんが家でひっくり返ってテレビを見てエアコンをガンガン家でも付けています、家でもエアコン工場でもエアコン、テレビも全開で点けてっていうときに最大電力でした。最近そこは抑えられていたのです。何故かというと、そのような暑い夏の日は太陽光発電もガンガンに発電しますから、ピークの発電が太陽光発電のおかげで抑えられていたのです。いままでのピークは、必要な電力を必要なタイミングで必要なだけ供給するというシステムなので、その供給力というものは最大電力に合わせて設定してあるわけです。

いままでの常識でいうと、最大電力はその真夏に合わせて発電力を付けていたのですが、その夏の最大電力が太陽光発電のおかげで総発電量自体がもうそこは対策してあるからいいじゃん、ということで抑えられていた。冬場のこのタイミングでこれほど寒くなって電力需要が伸びて、なおかつ地震で火力発電所も止まるというようなことは想定していなかった。

増山)二重三重に輪を掛けて。

辛坊)はい。そのような事態がいま起きているのです。ここまで申し上げると、それは少し大変だな、このまま電気を使い続けると停電してしまう。停電してしまうと命に関わるぞ、と思ってくださる方がいたら、この番組をやっている意味があるよな、と思います。

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