「無駄な法律」を一気に変えるデジタル化改革  山田太郎デジタル大臣政務官

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月29日放送)にデジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官の山田太郎参議院議員が出演。デジタル化社会へ向けた改革について解説した。

デジタル庁が入る紀尾井町ガーデンテラスに設置された案内表示=2021年9月1日、東京都千代田区 写真提供:時事通信

マイナンバーの公的給付金受け取り口座の登録スタート

デジタル庁は、マイナンバーの公的給付金受け取り口座の登録を3月28日から開始した。口座を登録すれば今後、給付金の交付が円滑になるなどの利点がある他、電子マネーとして使える「マイナポイント」を付与される特典も得られる。

データ中心の社会をつくる

飯田)これは山田議員の所管のど真ん中というところでしょうか。マイナンバーの特典など、個々の話はたくさん出て来るのですが、全体としてはどのような方向性を目指しているのですか?

山田)一言で言うと、「データ中心の社会をつくる」ということです。よく「Society 5.0」などと言われるのですが、いままでのITやICTの使い方は、生産性向上と言うのでしょうか。具体的には、リモートで医療が受けられるということは現在でも行われています。しかし、ウェアラブルを使って、経年的な心電図を撮り、3分診療ではないやり方で診療することや、過去の検診のデータを取り寄せて診察することができるというように、データを使って医療なら医療を変えるということです。

飯田)データを使って医療を変える。

山田)教育でもそうです。先生が黒板に書いているところの動画をはじめ、いろいろなコンテンツを授業に持ち込む。先生のあり方も「ものを教える人」から、伴走者として1人ひとりを育てて行くようなファシリテーターに変える。「データを使って社会を変えて行く」ということがデジタル庁のミッションです。

誰1人取り残されないデジタル化社会 〜自助一辺倒から共助へ

飯田)便利になるだけではなく、社会全体が変わって行くということですか?

山田)そうです。もう1つのキーワードは「誰1人取り残されないデジタル化社会」です。これまでのデジタル化の目的はどちらかと言うと、生産性向上というものでした。しかし、それは強者の論理なのです。

飯田)強者の論理。

山田)デジタルを使って、いままで手が届かなかった、いじめ問題や虐待など、わかりにくかったところを明確にする。子どもたちの気持ちについて、天気予報アプリのように「きょうの気持ちはどう?」と聞いたとき、雨や雷であれば「悲しい」とわかるようにする。

飯田)アプリで。

山田)何かあるのではないかということで、アウトリーチでアプローチすることによって、困難を抱えた方たちもサポートすることができる仕組みをつくる。

飯田)いままでの場合、「助けてください」と手を挙げた人に対しては政策が用意されるけれど、「困っていても自分からは言い出せない」方たちに、こちらから声を掛けるということですね。

山田)アウトリーチと言われますが、そういうやり方に変えて行こうではないかということです。いままでの自助一辺倒から共助、公助に変えて行こうという考え方です。

国が音頭を取ってデータをつなげる

飯田)その司令塔として、デジタル庁があるのですか?

山田)共通のプラットフォームがなければ、先ほど言ったカルテの情報などはつながらないのです。民間のやり方がバラバラであれば。

飯田)会社ごとに違うと言いますね。

山田)学校も「小中で一緒に連携しよう」と言っても、転校などがあると、データはつながりません。「つなげる」ということを誰かが保障しなくてはいけない。そこは国が音頭を取ろうということなのです。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

無駄な法律を一気にデジタル化のために変える 〜「デジタル臨時行政調査会」

山田)「対面でなければいけない」、「目視しなければいけない」、「そこにいなければいけない」というような、いろいろな規制があります。

飯田)そうですね。

山田)しかし、いまは外からリモートでできることも多くあります。今回、「デジタル臨時行政調査会」という仕組みをつくりました。「意味のない無駄な法律が4万件ある」と言われているので、いま全部洗い出しています。来年(2023年)に出すことができれば、意味のないものについては、5000件ほどの法律を一気にデジタル化のために変えるという規制改革を行います。これは誰かがやらなくてはいけないことです。

個人情報をどう守るか

山田)一方で、個人情報はきちんと担保しなければいけません。ネットワークにつながっている情報を目的以外で利用したり、本人が同意していないのに使われるようなことがあってはなりません。個人情報に対しても、どのように配慮して守るのか、これもデジタル庁の大きな役割です。私はデジタル庁とは別に、個人情報保護委員会に関しても一端を担っています。そのように全部を1つにまとめたということが、今回の大きな改革です。

飯田)その辺りがいままでは個々でバラバラに動いていた。

山田)それを牧島かれんデジタル相が中心となり、デジタルや行政・規制改革、個人情報保護、サイバーセキュリティも全部一緒に見ることになりました。

飯田)先ほどの子どもの気持ちを聞くようなアプリを、みんなで使うということなどが関わって来るのですね。

山田)しかし、プライバシーに配慮することも重要です。自分の気持ちがネットに流れてしまっては、大変なことになります。

飯田)その辺りは、先生だけが見られるようにするのですか?

山田)見るべき人が見られるようにする。さらに、いつまでそのデータを保存するのかということも、考えなければなりません。「忘れることができる権利」も重要だと思います。いろいろやらなくてはいけないことがあります。

日本型の優しいデジタル社会を目指す

飯田)これがうまく行けば、日本の社会全体が変わって行くことになるわけですね。

山田)変えて行かなければいけないのです。日本は「デジタル敗戦国」と言われています。諸外国含めて10年〜20年、特に情報という点で遅れていると言われているので、それを一気に取り戻す。さらに、日本型の社会的包摂に基づいた優しいデジタル社会を目指そうと思っています。

飯田)いままで、個人情報の保護という部分に関しては、センシティブに考える方々が多い印象がありますが、この辺りはどう乗り越えて行きますか?

山田)個人情報保護については「2000個問題」という言葉があり、各自治体でそれぞれ異なるものをつくって来てしまったのです。

飯田)条例などを。

山田)そのため、情報をつなげようとすると、「この市区町村はつながらない」ということがありました。今回、法律を改正して、国でガイドラインをつくるやり方に変えたので、センシティブはセンシティブな部分として守らなければいけませんが、コネクティングのところをどのように保障して行くのか。そのバランスを取るという考え方です。いままではどちらかに偏って議論されていましたが。

飯田)守る一辺倒、あるいは使う一辺倒のような。

山田)そうなのです。

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