バイデン政権が核巡航ミサイルの開発を中止する理由

ジャーナリストの須田慎一郎が4月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。バイデン米政権が新型の核巡航ミサイル開発を中止にする方針を固めた理由について解説した。

ホワイトハウスで記者会見するバイデン米大統領(アメリカ・ワシントン)=2021年3月25日 AFP=時事 写真提供:時事通信

バイデン政権、核巡航ミサイルの開発中止へ

アメリカのバイデン政権が新型の核巡航ミサイルの開発計画を打ち切る方針を固めた。この開発計画はトランプ前政権が打ち出していたが、核軍縮を訴える与党・民主党のリベラル派への配慮から開発中止になったとみられている。

飯田)4月4日の日本経済新聞が1面で記事を掲載していますが、新型の核巡航ミサイルについては開発中止ということです。小型核に関しては言及がなく、そのまま続けるようです。

中間選挙での与党支持層に向けてのポイント稼ぎ 〜ここまで功績のないバイデン政権

須田)これは中間選挙での与党支持層に向けたポイント稼ぎだと思います。これまでバイデン政権が何をやってきたのかと言うと、あまり功績がないわけです。そのなかで、「これだけはやります」ということです。

飯田)核巡航ミサイルの開発は打ち切ると。

須田)核廃絶ということで考えると、民主党のオバマ政権が「核なき世界」を目指すという演説をして、何もやっていないのにノーベル平和賞を受賞しました。あれが言ってみれば民主党の路線です。そちらに対して、きちんと配慮するというところを打ち出してきたのだと思います。

飯田)民主党の路線として。

須田)気候変動対策に関して、なかなか議会で予算が通らないという現状があります。これは共和党が反対しているだけではなく、民主党の重鎮であるマンチン上院議員が反対の姿勢を示しています。「それを説得できないバイデン大統領」というマイナス部分もあります。他に何かできることはないかということで、ここに踏み込んだのだろうと思います。

左派への期待が大きいバイデン大統領

飯田)核に関する民主党左派の人たちの議論を見ていると、「核の先制不使用」など、かなりラジカルなことを言っています。ウクライナの状況があるなかで、こんなことを言ってしまっていいのかとも思いますが。

須田)その辺りがアメリカの不思議なところですよね。自国中心主義のようなところがあります。思い返してみると、大統領選挙に臨むにあたっての党内の指名選挙のとき、バイデンさんは7位だったのです。

飯田)なるほど。

須田)それでようやく左派の人たちの協力を得て、民主党の候補者になったわけです。そこに対しては、やはり期待が大きいのです。

核巡航ミサイルの問題以前にアメリカの立ち位置をどうするのか

飯田)そうすると、中間選挙をこれで乗り切れるのかどうか。支持率は上がっていないようですね。

須田)現実路線をとる人たちにとっては、逆に「これでいいのか」ということになるのではないかと思います。

飯田)同盟国としては、心配になってしまいます。

須田)核巡航ミサイルが必要かどうかという問題以前に、アメリカの立ち位置です。確かに対中国ということで考えると、アメリカは圧倒的に核弾頭の世界では優位に立っているのだけれども、そこでも中国が追い上げていますから。

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