なぜ東北電力は「出力制御」しなくてはならなかったのか  大規模停電につながるその「仕組み」

中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が4月11日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。4月10日に東北電力が初めて行った「出力制御」について解説した。

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東北電力が「出力制御」を初めて実施

東北電力は4月10日、太陽光発電の供給が増えすぎて大規模停電になるのを防ぐため、発電事業者に発電を一時的に停止させる「出力制御」を初めて行った。電力は発電量と使用量を一致させる必要があり、そのバランスが崩れると大規模停電になる恐れがあるということだ。

飯田)出力制御に関して、既に太陽光発電が盛んな九州電力では、度々行われていたということです。東北電力としては10日に初めて行い、全国では3例目だということです。

電力は生産したものをそのまま消費する 〜生産と消費のバランスが崩れると大規模停電になる

野村)まず我々が知っておかなくてはいけないのは、電力は基本的に「生産したものをそのまま消費する」という仕組みなのです。生産と消費のバランスが崩れてしまうと、大規模停電につながってしまう。ブラックアウトが生じてしまい、復旧が難しいということになるのです。

飯田)生産と消費のバランスが崩れると。

野村)それを生じないようにするためには、人為的に制限を掛けて出力を減らしたりすることが重要です。この間、東北で地震があったときも、出力を制御するために意図的な停電を組み合わせてブラックアウトを防止しました。そういうものをいまは「レジリエンス」と言っていますけれども、何かが起こったときに復旧させる力というものに注目しているのです。

飯田)レジリエンス。

野村)そういうところで制御がうまくいくことが大事なのです。今回ポイントになっているのは再生可能エネルギーです。これを大量に生産できた場合、バランスが崩れてしまうのをどうするかという話です。

再生可能エネルギーの生産と消費のバランスをどう取るか

飯田)「溢れるほど大量に生産できたら、それでいいのではないか」と素人は思うのだけれども、それが原因でブラックアウトが起こりうるのですものね。

野村)そういうことなのです。しかし、出力制御をするということになると、頑張ってつくった再生可能エネルギーが無駄になってしまう。

飯田)そうですね。

野村)日本の場合は、カーボンニュートラルを実現するために、再生可能エネルギーもある程度太い幹にしていかなくてはいけないという部分があるわけです。それをどのように制御していくのかが課題ということですよね。

再生可能エネルギーの供給を安定させるには 〜国際ネットワークまで視野に入れる必要がある

飯田)この間の地震のときは、翌日が曇り空でほとんど太陽光発電ができずに、足りなくなりました。

野村)再生可能エネルギーの最大の問題点は、供給が不安定だということです。安定させるには、送電網を広げることによって、余ったところから足りないところに運べるようにしなくてはならない。

飯田)供給を安定させるには。

野村)ただ、日本はその対策がまだ十分ではないのです。ヨーロッパでは、北の方の国からアフリカくらいまで、国際的に全部つながっていて、きょうは地熱がいいけれども風が吹かないとか、風は吹くけれども地熱がよくないというようなところを、バランスよく送電しているのです。ある意味では、国際ネットワークまで視野に入れて安定供給をしていかなければならないという課題があります。

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