自民・高市早苗政調会長が語る 今後の日本の成長戦略に必要な「3つ」のこと

自民党・高市早苗政調会長が4月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。これからの日本の成長戦略について述べた。

政治 2022近未来政治研究会と語る会であいさつする高市早苗政調会長=2022年4月15日午後、東京都内のホテル 写真提供:産経新聞社

これからの日本の成長戦略、自民党・高市早苗政調会長に直撃

新型コロナの影響で打撃を受けた日本経済、ロシアによるウクライナ侵略で改めて検討されるエネルギー戦略。これからの日本に必要な経済政策、成長戦略は何なのか。自民党・高市早苗政調会長が語る。

飯田)いま、あるいは今後、どのような経済対策を取るべきだとお考えですか?

高市)いま厄介なのが、さまざまな原材料のコストが上がっているなかで、企業がこれを価格に転嫁できないことです。「日本は生産性が低い」などとよく言われますけれども、私は日本人の能力が低いなどとは感じていません。むしろ、これまでいいものを安く売りすぎてきたのです。

「いいものはそれなりの値段で売る」という方向へ企業マインドを転換する

高市)デフレマインドが1990年代から染みついてしまって、海外で買ったら高い値段がするものでも、安く売ってしまう。安ければ安い方がいいという意識に消費者も慣れてしまい、企業も「値上げをしたらお客さんが来なくなるのではないか」と思ってしまう。ですので、まずこのマインドを変えなくてはいけません。

飯田)その企業マインドを。

高市)いいものは、それなりの値段で売るということです。そうすると企業収益も上がります。それがお給料に反映されて、お給料も上がる。お給料が上がって消費マインドがよくなる。そして買い物をそれなりの値段でするという循環ができれば、税収も当然上がっていきます。

飯田)その循環ができれば。

高市)マインドの転換が必要です。2022年度は、各企業が厳しいなかでも、何とか賃上げをしていただく。いま賃上げを促進する税制がありますから、それによって少しでも消費マインドが上がり、それなりのお値段でも買っていただけるようにしていければと思います。

飯田)まさにサナエノミクスです。好循環を狙うのだというお話をされていましたが、その後押しで財政が出るというのは、現状だとなかなか難しいのですか?

高市)高市早苗は総裁選挙に負けてしまいました。いまは内閣にもいないですし、党から細々と提言を出せる立場でございます。サナエノミクスはできませんが、岸田総裁がおっしゃる「新しい資本主義」の姿が見えてくるといいなと思います。

気候変動に対応できる農業技術、漁業技術の開発

飯田)コロナ禍が今後どうなるかにもよりますが、少し長い視点で見て、どういう日本をつくっていきたいと思っていらっしゃいますか?

高市)例えば食糧安全保障について一生懸命、いま自民党政調会でも議論しています。今回のように戦争がなくても、気候が変化していけば収穫できる作物も変わり、当然、世界中で食糧不足が起こります。

飯田)気候変動で。

高市)日本には優れた施設園芸設備があります。何が起こっても日本国内で食べられるという体制をつくると同時に、気候変動にも対応できる先進的な農業技術、漁業技術を開発すれば、世界に売り出せる成長投資になります。

飯田)気候変動に対応できる技術。

高市)それから、エネルギー安全保障も党内で議論しています。この間は少し寒くなっただけで、夜9時か10時に停電が起こるかも知れないとエネルギー庁長官が青い顔をしていたので、「何て脆弱なのだろうか」と思いました。

飯田)ありました。

高市)これについても、よく考えなければなりません。サイバー攻撃で変電所がやられて、1ヵ所が使えなくなったら、その地域で大停電が起きる。あるいは、少し寒くなったり暑くなったりしたら「節電してください」と言って、節電に失敗したら停電が起きるというような脆弱なことでは、生活も成り立たないし、産業も持続できません。

自民党・高市早苗政調会長、飯田浩司アナウンサー

小型モジュール炉を日本各地の地下に設置する

高市)そのためには、これも自民党の公約に書いてしまっていますけれども、安全性が確認された原子力発電所の再稼働が必要です。アメリカでは小型モジュール炉(SMR)の研究開発が進んでいます。日本では三菱重工業が相当な技術を持っていますから、国策としてやればいいのです。

飯田)国策として。

高市)これを地下に立地するのが最もいいと思いますので、大手建設会社との共同開発で、小型モジュール炉を日本各地の地下に設置する。これが2020年代にやるべきことでしょうね。

飯田)小型モジュール炉を日本各地に設置する。

高市)2030年代に向けては、少し国費が出ているけれども、他の国とは1桁違う核融合です。これはウランとプルトニウムを使わず、重水素とトリチウムで発電できます。そうすると安全で、高レベルの放射性廃棄物が出ないのです。

飯田)重水素とトリチウムでの発電。

高市)この核融合の商用炉をつくって制した国が、世界を制するという時代になっていて、いまアメリカ、ヨーロッパでは開発競争が起こり、大きな投資が集まっています。日本にも技術はあるのにもったいない。ですから、国家プロジェクトにするべきでしょうね。

資源エネルギー保障、食糧安全保障、サイバーセキュリティ対策

高市)資源エネルギー保障、食糧安全保障をしっかりとやる。それから、サイバーセキュリティ対策をやる。これらは、いまからやっておいても早すぎない対応だと思います。政調会では一生懸命、そういうことをやっています。

やせ我慢をしてでもロシアへの経済制裁を続けなくてはいけない

飯田)そして中国との向き合い方です。経済的なつながりが深いということを経済界の方々はよく言いますが、その間合いの部分は今後いかがでしょうか?

高市)ロシアに関しても同じことが言われています。ここは官民ともにやせ我慢してでも、ロシアのたくらみを失敗に終わらせることが、日本を守ることになるのです。中国は現状を見ていますから。それが日本の国土や国民の皆さまの命を守ることになるので、経済も大事ですけれども、国そのものがなくなったらどうしようもありません。

金融政策だけでは限界 〜積極財政を行うべき

飯田)須田さん、いかがでしたか?

ジャーナリスト・須田慎一郎)高市政調会長には頑張っていただきたいと思います。いまの岸田政権は緊縮財政一本なのです。これだけ国民生活が疲弊し、景気も回復しない、デフレから脱却できないという状況のなかで、これまでやってきた金融政策だけでは限界を迎えています。

飯田)金融政策だけでは。

須田)積極財政に打って出るべきなのに、それを主張しているのは、例えば高市さんや安倍さんの派閥だけで、なかなか大きな声になっていかない。やはり旗をきちんと立てて、国民世論に発信していくということを、参議院選挙に向けて党内議論で積極的にやっていくべきではないかと思います。頑張って欲しいです。

飯田)そしてロシアへの経済制裁を、中国が見ているのだということでした。

須田)安倍外交のいちばんの特徴は、中露の連携に関して楔を打ち込むというところです。ロシアに対してきちんと議論、交渉をしていきました。中国に対してもやりました。その辺りのリスクを感じ取ったのでしょうね。

飯田)安倍外交は。

須田)ただ今回のウクライナ情勢で、中露はしっかりと連携しましたから、局面は変わったのです。局面が変わったなかで、再度ロシアに行って交渉しても、意味のない話です。そのなかで日本はどうすべきなのかということを、中・長期的な視野を含めて戦略を練っていく必要があると思います。

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