中国「ゼロコロナ政策」の限界  1〜3月期のGDPが目標を下回る

外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が4月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2022年1〜3月期の中国のGDPについて解説した。

習近平氏、辛亥革命110周年記念大会で重要演説(北京=新華社記者/申宏)=2021(令和3)年10月10日 新華社/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

中国の1〜3月期のGDP、目標を下回る

中国の国家統計局によると、2022年1〜3月期、四半期のGDPの伸び率は前年同期比4.8%となった。2021年10〜12月期のプラス4.0%は上回ったものの、政府の成長率目標5.5%前後を大きく下回っている。新型コロナ「オミクロン株」の感染者急増で、各地で行っているロックダウンによる影響とみられている。

飯田)きょう(19日)の朝刊各紙が1面の2番手、3番手で記事を出していました。コロナと絡めて書く記事が多かったですね。

無理がある中国の「ゼロコロナ政策」

宮家)中国のGDPが減ったり増えたりするのは傾向を見る上では正しいでしょうが、4.8%が本当の数字だとは必ずしも思いません。そのくらい、「ゼロコロナ」政策には無理があるのではないでしょうか。

飯田)ゼロコロナには。

宮家)上海の状況を見ていると、ワクチンが効かない……中国製ワクチンは50%くらいの効果しかないと言われていますよね。オミクロン株が流行しているので、感染力が強く、どうにもならないのでしょう。世界はウイルスと共存するという方向に動いていますが、そのためにはワクチンが効かなくてはならない。しかし、中国は欧米製のものは使いたくない。そうなると、現在の状況になるわけです。

「飢饉・疫病・邪教」の3つが揃うと崩壊する中国王朝

宮家)ロックダウンなどを徹底的にやれば、住民が怒るのは当たり前です。いつまで続くのでしょう。10月の党大会までやるのでしょうか。あと半年もありますよ。

飯田)「略奪行為が起こっているのではないか」というような動画が出ています。それも力で抑え込んでいるようですが。

宮家)一般市民が怒っているわけです。決してよいことではないですよ。中国の王朝は、「飢饉・疫病・邪教」の3つが揃うとダメになるのです。

飯田)飢饉、疫病、邪教。

宮家)今回はそのうちの疫病です。

飯田)疫病。

3期目を控え慎重にならざるを得ない習近平氏

宮家)最初はうまく封じ込めたつもりだったし、さすが独裁国家だなと思いました。しかし、ウイルスの感染力が強いとあの程度のシステムでは防げないということです。もう少し早めに方向転換をした方がいいと思いますが、私が習近平さんだったら、それをやる勇気があるかどうか。特に3期目がかかっているわけですから、すべてに慎重にならざるを得ない。「慎重」ということは「変えない」ということです。

飯田)慎重ということは変えない。

宮家)そうすると、それだけ中国の国民が苦労する。大都市を封鎖しなければならず、当然経済は止まり、成長率は下がる。悪循環はいつまで続くのですかね。

飯田)しかもサプライチェーンがつながっている分だけ、世界にも影響が波及します。

宮家)そうです。中国だけではなく、日本を含めて影響が出ます。しかし、私はやはり中国の内政の方が心配です。

本来は強権だからこそ、簡単に政策は変えられるはずなのだが

飯田)3億7300万人に行動制限が及んでいるという報道がありましたが、全人口の4分の1以上になります。しかし、社会不安にまではつながらないですか?

宮家)そこまではいかないでしょう。どちらにしても、特権のある人たちはお腹が空かないでしょうし、その分庶民が苦労する。それは変わらないと思います。状況がギリギリ持たなくなるまでは続け、もう少し様子を見るのではないでしょうか。かわいそうなのは中国の人々です。

飯田)強権だと、このようなときに転換ができない。

宮家)本来は強権だからこそ、簡単に変えられるはずなのですが、いちばん偉い人が言うと変えられないのではないですかね。

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