国民・玉木代表「25年間も賃金が下がり続ける国など日本しかない、参院選で最も訴えたいのは『スタグフレーション対策』」

国民民主党の玉木雄一郎代表が4月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。国民民主党と日本維新の会との参議院選挙における相互推薦の合意文書について述べた。

政治 会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=2022年3月8日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

参議院選挙の相互推薦の合意文書をめぐり、国民民主党と日本維新の会が再協議

国民民主党の玉木雄一郎代表は4月24日、参議院選挙の相互推薦について交わした文書の修正を日本維新の会に打診していることに関し、「党内手続きに瑕疵があったことは間違いない。再協議の途中だ」と重ねて説明した。この文書をめぐっては「政権交代を実現し日本再生に尽力する」との文言が、国民民主党内で「維新との全体的な連携につながる表現だ」と異論が出ている。

飯田)この件についてはいかがでしょうか?

玉木)党内手続きをきちんとしていなかったということで、きょう(4月26日)、両党の幹事長が改めて会い、どのような形で進めるのか協議することになっています。私としては、「もう1度維新とやってください」ということでお願いしています。

政策本位で国民のために役立つ政策の実現であれば、与野党を超えて連携・協力する

飯田)国民民主党が予算にも賛成したことは、「政権交代を目指さないのか」というような誤解もあるかも知れませんが、そういうことではないですよね?

玉木)参議院選挙が間もなく行われますけれども、そもそも参議院選挙は政権交代選挙ではないですし、我々はいま野党第3党です。既存の「紅組対白組」という対立のなかでやっても、コロナ対策や厳しいウクライナ情勢という、日本にも大きな影響を与える安全保障環境の変化があるなかで、単に「反対です、ダメです」ということだけでは対応できません。そもそも去年(2021年)の衆議院選挙で、我々は「対決より解決だ」ということを訴えています。2月11日の党大会でも、「政策本位で国民のために役立つ政策の実現であれば、与野党を超えて連携・協力しよう」ということを党の方針として決めています。それに伴い、とにかく政策本位でやっていくということです。

トリガー条項の凍結解除実施に向けてどのように立ち向かうのか

ジャーナリスト・有本香)玉木代表には、ときどき「これはいいことを言ってくださったな」と思うところがあります。例えば、トリガー条項についてです。しかし、なかなか実施は難しい。玉木さんからの突き上げも「それほど強くなかった」という感じがします。次の参議院選挙は「政権交代選挙ではない」と言うものの、今後も政権に対しては、強くものを申す。あるいはトリガー条項のように、代表のおっしゃったことが実施されるためには、どのように立ち向かっていかれる予定でしょうか?

玉木)トリガー条項の凍結解除は、去年(2021年)の衆議院選挙で、我が党だけが「ガソリン価格を下げるべきだ」ということを公約に掲げていました。

有本)そうですね。

玉木)今回の3党協議のなかでも強く訴えて、引き続き速やかに結論が出るよう協議することになっています。諦めてはいませんし、「現場のガソリンスタンドの混乱はどうするのか」という具体的な対策について一致しなかったので、参議院選挙の前にもそこは引き続きやります。

飯田)参院選前にも。

玉木)ただ、いまやっている元売りに対する補助金も、1リットルあたり5円だったものが、我々が「25円10銭減税しろ」と言ったので、補助額が25円になり、今回、それが35円まで上がるのです。いま172円で高止まりしている基準値も、160円台まで確実に下がります。その意味では、ガソリンの値下げという実は取りながら、引き続きトリガー条項についても諦めないということです。

日本の国益にならないことがあれば指摘し、国民に必要なことであれば協力する

玉木)与党にも一部協力はしますが、予算案に賛成したあとも、林外務大臣が1ヵ月、駐日ウクライナ大使に会わずにいたということがありました。それを厳しく指摘したのは、我が党の川合議員なのです。国益に対しておかしいことがあれば、引き続き言い続けますし、国民にとって必要なことであれば、与党だろうが野党だろうが協力します。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

国民民主党が参議院選挙で最も訴えたい「スタグフレーション対策」

有本)参議院選挙に向けて、かつて強い支持母体であった連合あるいは労組などが離れていっている。特に一部選挙区とは言え、維新と協力することになると、より難しくなる。そういうなかで国民民主党としては、参議院選挙で何をいちばん訴えたいのでしょうか?

玉木)スタグフレーション対策です。物価が上がるのに給料が上がらない、所得が上がらないとなれば、大変なことになりますよ。

有本)そうですね。

玉木)それに対する危機感が日本にはなさすぎる。アメリカはインフレを抑えようとしているのですけれど、賃金もインフレなので何とかなるのです。しかし、日本はこの間の経済政策の失敗で、物価は上がるけれど、賃金も上がらないという状況です。25年間も賃金が下がり続ける国など、世界を探しても日本しかありません。いまも昔も日本人は本当によく働きますし、頑張り屋さんなのです。それでも25年も賃金が下がったということは、国の経済政策が間違っていたのです。ここをしっかりと訴えたいし、その総合パッケージを示したのは我が党だけです。

あくまで政策本位で与野党を超えて、協力できるところはしていく

有本)その割には、維新と組む選挙区があったり、あるいは東京の「ファーストの会」と組むなど、「国民民主党の軸」がわかりにくいという印象があります。

玉木)維新のことについては、ご指摘いただきましたので再協議していますし、仮に協力するとしても極めて地域限定的な話です。ファーストも東京だけです。なぜやっているのかというと、ファーストのときもかなり長い時間をかけ、6項目の政策合意について一致させました。例えば、子ども政策については所得制限を外そうと。東京の千代田区、文京区、港区、中央区では、半数以上の子育て世帯が国の支援から外れるのです。「そういうことは改めましょうよ」としっかり決めた上で、「それを実現するために、この選挙で力を合わせよう」ということを言っているのです。あくまで政策本位で、与野党を超えて協力できるところはしていく。この方針を貫きたいと思います。

科学技術や教育にもっとお金を費やすべき 〜「教育国債」を発行してでも予算を倍にする

有本)先ほどの話にもありましたが、賃金の上がる経済について、「これをやるぞ」というような秘策はあるのでしょうか?

玉木)経済が成長しなければ、賃金は上がらないのです。個別の介護や福祉など、一部を上げることには反対しません。でも、国が政策としてやるべきなのは底上げをすることです。経済を元気にしなければ、中小企業の賃金は上がりません。日本経済の成長の源がなくなったのは、科学技術や教育にお金を使わなくなったからです。

飯田)科学技術や教育に。

玉木)今世紀に入って、中国が科学技術や教育に費やしたお金は日本の7倍と言われています。ですから、成長の源としてお金をもっと使う。そのために我々は「『教育国債』という国債を発行してでもやれ」と言っているのです。

飯田)教育国債を発行してでも。

玉木)あと20年間は高齢者人口が増え続けるというなかで、年金・医療・介護への支出は増えるし、防衛費も増やさなければなりません。一体どのように科学技術や教育へお金を回すのですかと。みんな知恵がないのです。昔は「建設国債」で橋や道路をつくってきましたけれども、いま、次の世代に残す最大の資産は人材です。ですから「教育国債」を発行してでも、予算を倍にしろと言っているのです。

未来への投資のために「教育国債」を発行する

有本)かつての民主党時代も、そのようなプランがあったように記憶していますし、あるいは日本維新の会も似たようなことを言っています。それと国民民主党が考える教育国債、あるいは教育に投資をしていくというプランにおいて、いちばんの違いは何でしょうか?

玉木)教育国債の発行ですね。

有本)国債をそれで発行するということですね。

飯田)予算の組み換えなどではなく。

玉木)ある種、日本は緊縮財政なのか積極財政なのかという神学論争がありますけれども、予算だけはこの30年で1.7倍程度になっています。表面だけを見ると積極財政に見えるのですけれども、未来の年金・医療・介護は3.3倍になっている。

飯田)そちらにばかりお金を使っている。

玉木)教育・科学技術は増えていないので、「未来への投資」という観点で言えば緊縮なのです。

有本)そこにフォーカスした国債を発行する。

玉木)そこを積極的に変えるために「教育国債」を発行しようということです。

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