中国・ロシア・北朝鮮……非民主主義の核保有国3つに囲まれる日本 まずは「自分たちで守る」ことが必要

数量政策学者の高橋洋一が5月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。5月25日に発射された北朝鮮の弾道ミサイルについて解説した。

2022年5月24日、バイデン大統領との写真撮影〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202205/24quad.html)

北朝鮮が弾道ミサイル発射

韓国軍合同参謀本部は5月25日、北朝鮮が東方に向け弾道ミサイルを発射したと発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)外へ落下したとみられる。現時点で航空機や船舶の被害は確認されていない。日米韓3ヵ国の政府が詳しい分析を進めている。

飯田)北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが再度発射されたということです。

高橋)よく撃ちますね。

飯田)既に、大きく高く撃ち上げるロフテッド軌道での発射にも成功しています。これはアメリカの東海岸を飛び越えるくらいの能力がある。この先は弾頭をたくさん積んで、重いものを飛ばせるかどうかの実験になるのではないかと言われています。

日米首脳会談でも取り上げられた「拡大抑止」……「核の傘」

高橋)ミサイルだけでなく、核実験もするでしょうね。今回の日米首脳会談で、岸田総理は核の傘についても言及しました。「拡大抑止」という言い方をしますが、拡大抑止というのは「核の傘」という意味なのです。拡大抑止について日米首脳会談でやりとりされることは、いままでほとんどなかったのではないでしょうか。

飯田)拡大抑止について。

高橋)そういう意味では、核の時代になってきたということでしょうね。来年(2023年)のサミットは広島で開催されますが、核の話を本格的に議論しなければならないということです。

アメリカは核保有国に対して攻撃することはない

飯田)もちろん、長期的な核廃絶の考えはあるけれども、一方で核の恫喝にどう対処するかということですね。

高橋)「核兵器不拡散条約(NPT)」という核不拡散の考え方があったのだけれど、5大国……アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国は威嚇もしてはいけない。そして、他の非核兵器国は開発してはいけないというものです。

飯田)NPT。

高橋)それに抵抗してインド、パキスタン、イスラエル、南スーダンが参加せず、北朝鮮も脱退しました。そして、いまは「抵抗した方が安泰だ」という話になってしまったのです。

飯田)核を持った方が。

高橋)そうすると、どのように核を抑え込むかという話にしかならないですよね。日本は核に対してアレルギーがありますが、自分で持たないにしても、アメリカが核の傘で守ってくれるということは重要です。

飯田)そうですね。

高橋)これまでアメリカはどんな国でも、自分の国に届くような核を持っている国には攻撃していません。しかし、リビアなどがそうでしたが、核を持たない国は攻撃する。北朝鮮はそれを知っているので、核を開発しているのです。

中国・ロシア・北朝鮮 〜非民主主義国で核保有国3つに囲まれる日本

高橋)日本の周りには北朝鮮(核を開発すれば)、中国、ロシアと、3つも核保有国があります。相手が民主主義国でないと、戦争の確率は高まるのです。日本の周囲には非民主主義国であり、核保有国でもある国が3つも存在するということです。

朝鮮労働党の政治局常務委員会会議に臨む北朝鮮の金正恩党総書記(中央)=2022年5月17日、平壌(朝鮮中央通信=共同) 写真提供:共同通信社

有事の際、アメリカが本格的に軍事介入しないことを想定しなければならない日本

高橋)日本はそのなかで、有事の場合、アメリカが本格的に出てこないという想定をしなければなりません。

飯田)自分たちの国を自分たちで守ることが必要になる。

高橋)まずは自分たちで守る。今回の日米首脳会談で防衛費を増額するという話が出ましたが、「増額」ではなく、お得意の「倍増」と言うべきでしたね。

飯田)そこまでは言わなかった。

高橋)公明党に配慮しているのだろうけれど、「倍増」でないと日本は世界標準の防衛費にはなりません。アメリカから見れば「自分で戦わないのだからできない」と、助けない口実にもなってしまいます。

核保有国のロシアには攻撃しないアメリカ 〜それを見て兵器開発を進める北朝鮮

飯田)核保有国であり、国連安保理の常任理事国でもあるロシアがウクライナへ侵攻していることに対して、「ロシアの核によって西側が抑止されているのではないか」という指摘があります。当然、それを北朝鮮は見ているわけです。

高橋)当然ですよね。だから自分の国が潰されないように、必死で核とミサイルの開発を加速させているのです。しかし、アメリカに届くということは、日本には何発も来るということです。

飯田)そうですね。

高橋)今回のことでもわかるように、たくさんミサイルを持っているのでしょう。「それが一気に来たら」ということまで考えないと、日本の安全は保てません。ただし、考えるだけでいいのです。「何十発も撃ち込まれたらどうするのか」と考えることが重要です。

通常兵力でも強力な反撃力があれば核抑止になる

飯田)だからこそ、「反撃能力」についてきちんと議論しなければならない。

高橋)日本で有事が起きた場合、アメリカが核ミサイルを撃つというのは強烈な反撃ですが、アメリカはそこまでしません。自国が危険に晒されることになりますから。当然、日本が迎撃するということになります。

飯田)そうですね。

高橋)迎撃し終わったあと、どうするのかということです。強烈な反撃力があれば向こうは思いとどまるでしょう。日本が反撃手段をたくさん持っているとわかれば、思いとどまるかも知れない。でも、「思いとどまらせる手段を持ってはいけない」というのが、日本の風土のなかにあります。

飯田)未だに。

高橋)長距離ミサイルの話をすると、批判されます。しかし、長距離ミサイルがなければ反撃できません。

飯田)核を保有する云々とは別の話として、通常兵力であっても。

高橋)通常兵力でも、強力な反撃力がなければ抑止力にはなりません。

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