クアッドがNATOのような「軍事同盟」になることを恐れる中国

評論家の石平氏が5月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。クアッド首脳会合に対する中国の反応について語った。

演説で台湾統一実現への決意を表明した中国の習近平国家主席=2021年10月9日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

クアッド首脳会合、共同声明で中国を念頭「威圧的行動に強く反対」

日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる4ヵ国の枠組み「クアッド」の首脳会合が5月24日、総理官邸で開かれ、共同声明が発表された。中国を念頭に、現状を変更し、地域の緊張を高めるあらゆる威圧的で一方的な行動に強く反対するとし、また4ヵ国の首脳が包括的で強靭な自由で開かれたインド太平洋への揺るがない関与を新たにすると表明した。

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2022年5月23日、日米共同記者会見〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202205/23usa.html)

中国が戦狼外交や覇権主義戦略を進めた結果、クアッドができた

石)当時の安倍首相がこの構想を出したとき、中国はまったく気にしていなかったのです。しかし、その枠組みが目の前にでき上がってしまったということが、彼らの誤算でした。習近平政権がこの数年間、戦狼外交や覇権主義戦略を進めた結果、クアッドという枠組みができ上がったということに彼らは気が付いていないのです。

飯田)なるほど。

石)そもそも昔はオーストラリアもインドも、中国との関係は悪くなかったでしょう。

飯田)そうですね。

石)中国はインドもオーストラリアも、自分たちの方から敵に回してしまったのです。クアッドができ上がったいちばんの功労者は習近平さんかも知れません。

政権が変わったオーストラリアへの中国の反応

飯田)オーストラリアは政権が変わりました。労働党になっても、中国に対しての反応は変わらないですか?

石)オーストラリアの国内事情はそれほどわかりませんが、新たな首相が就任してからクアッドに参加しています。オーストラリアの新首相が就任してすぐに、李克強首相が祝電を送ったのですが、何の反応も示していません。

中国が企むソロモン諸島での軍事基地建設 〜南シナ海の緊張を高めることに

飯田)中国の王毅国務委員兼外相が、ソロモン諸島などを訪問するということですが、南洋の国々に対して、いろいろ中国は手を出していますね。

石)そうですね。オーストラリアが中国から離れて、クアッドやAUKUSもできた。中国はそれに対抗する枠組みをつくらなければなりません。しかし、ついてくる国が少ないので、結局、中国の経済援助なしでは成り立たないような国々を束ねて対抗することになります。ソロモン諸島で中国が軍事基地をつくろうと企んでいますが、それは南シナ海の緊張を高めることになると思います。

飯田)甘く見てはいけないということですね。

石)甘く見てはいけません。

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