北欧2か国のNATO加盟をトルコが容認 歴史の大転換の背景にある「苦渋の決断」と「譲歩」

明海大学教授で日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏が6月29日(水)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。トルコが北欧2か国のNATO加盟を容認すると方針転換したことについて、その背景をいち早く解説した。

28日、覚書の署名後に記念撮影に応じる首脳ら。左からストルテンベルグNATO事務総長、トルコのエルドアン大統領、フィンランドのニーニスト大統領、スウェーデンのアンデション首相(ロイター=共同) 2022年6月28日 写真提供:共同通信社


6月29日午後から岸田総理が初めて参加するNATO首脳会議に先立って、フィンランドのニーニスト大統領、スウェーデンのアンデション首相、トルコ のエルドアン 大統領、NATOのストルテンベルグ事務総長が会談。今回の首脳会議では合意が難しいと見込まれて いた“北欧2か国のNATO加盟承認”だったが、反対していたトルコが加盟を支持したというニュースが世界を駆け巡った。この速報の数時間後、番組で明海大学教授で日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏がその背景を解説した。

ロシアのウクライナ侵攻を機にフィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請は、ほとんどの加盟国は両国を歓迎。トルコだけは自国が敵対する非合法武装組織、クルド労働者党の関連組織を両国が支援していると反発し、条件闘争と見られていた。小谷氏は「特にスウェーデンにはクルド人移民がたくさん暮らし、スウェーデン国会にも移民の議員がいる」と北欧の立場を説明。そのため北欧はクルド人を攻撃する武器などについて禁輸政策を敷いていたが、「北欧側は国内的に出来る範囲でこれを解除するという苦渋の決断したとみられる」「トルコのエルドアン政権もこの禁輸解除を勝ち得たと国内で象徴的にアピール出来る」といった互いの譲歩について指摘した。また小谷氏は「フィンランド・スウェーデンは中立を維持することがロシアから身を護る安全保障と考えてきたが、今回の戦争によって、NATO の第5条『NATO加盟国の1つに対する攻撃はNATO全体の攻撃とする』原則の枠組みに入ることを決意した。これはプーチン大統領も想定していなかったことではないかと」と話した。

飯田アナウンサーから「アジアの安全保障としてNATOに近い組織を作ることはありうるか」との質問に、小谷氏は「それは各国の政治体制や文化が違うので相当難しい」としたが、「特定の分野で多国間で協力を進めていくことは考えられる」と他の枠組みでの可能性について言及した。

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