加藤死刑囚の死刑執行 秋葉原無差別殺傷事件の背景に非正規雇用増加 “労働者派遣法改正”の影に潜むリスク

経済アナリストの森永卓郎が7月27日(水)、ニッポン放送『垣花正 あなたとハッピー!』に出演。事件から14年となる、秋葉原無差別殺傷事件について、経済の観点から分析した。

秋葉原無差別殺傷事件の公判。裁判の冒頭、被告人席に座る加藤智大被告(右)(東京・霞が関の東京地裁)[イラスト・山下正人氏] 2011年03月24日 写真提供:時事通信社

2008年、東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、法務省は、加藤智大死刑囚の死刑を執行。この事件を経済の観点から森永卓郎が分析した。森永は「この事件が起きたのが2008年6月。その3か月後にリーマンショックが起こる。そもそも、景気が悪くなったのは、リーマンショックの前。景気が悪化したので、結果としてリーマンショックが起こってしまった」と、当時の国内外の社会情勢を振り返った。

リーマンショックと事件について、どんな関係があるのか。森永は「加藤死刑囚は、自動車製造工場の派遣労働者だった。2008年、リーマンショックの影響で大量リストラが起こり、派遣労働者も契約を更新できず、路頭に迷う人が多かった。加藤死刑囚もその一人で、景気の悪化により生活基盤が一気に失われてしまった」と、事件の背景に当時の景気悪化があるのではと分析。

なぜこのようなことになったのか。森永は、2004年に改正された労働者派遣法に要因があるのではと分析。2004年に改正された労働者派遣法により、製造業や建設業の派遣労働が解禁。森永は「製造業や建設業は景気に左右されやすいため、一斉に派遣切りが起こるリスクがある」と指摘。続けて森永は「1986年、労働者派遣法ができるとき、私は役所にいて、この法案に携わっていた。その時、私や有識者を含めて、製造業や建設業は絶対に含めてはいけないという認識が100%の総意だった」と語った。

さらに森永は「雇用は最大のセーフティネット。毎日会社に行き、給料をもらえると、暮らしていける。それがなくなってしまうと、金銭的にも精神的にもかなり追い詰められてしまう」と述べ「近年、非正規雇用は急増している。次バブル崩壊が起こってしまった時、どうなってしまうのか。労働者派遣法などを含めてしっかり国会で話し合うべきだ」と警鐘を鳴らした。

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