労働条件が悪く「国家公務員総合職」を目指す人が減少 〜退職後の高収入も期待できず

ジャーナリストの佐々木俊尚が8月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。国家公務員の現状について解説した。

※画像はイメージです

国家公務員一般職試験、合格者最多 〜しかし人気があるわけではない

国家公務員の一般職試験の合格者数は今年度8156人で、試験が始まった平成24年度(2012年度)以降で最も多くなった。人事院によると、新型コロナ関連の業務などに対応するため、各府省で採用人数を増やしたことが影響したとされる。

飯田)倍率は3.4倍で、2年連続で最低です。女性の合格者は全体の4割ということです。

佐々木)数が増えて人気があるように見えますが、実は人気はないのですよね。

内閣官房の「新型コロナウイルス等感染症対策推進室」の1ヵ月の残業時間が378時間に

佐々木)一般職なので、総合職とは別です。企業の総合職・一般職と同じで、総合職は昔から言われている上級職。エリート官僚をつくる人たちです。最近、問題になっているのは、厚労省などが有名ですけれども、ブラック労働があまりに酷いということです。コロナ禍になり、内閣官房の新型コロナウイルス等感染症対策推進室では、1ヵ月の超過勤務時間が378時間だったときがあったそうです。

飯田)残業だけで378時間。

佐々木)残業が1日10時間以上ですからね。

飯田)それとは別に、8時間の勤務があるわけですよね。

佐々木)1日18時間〜20時間くらい働いています。

飯田)いつ寝るのかという話ですよね。

佐々木)それで給料がいいかというと、いまは日本企業の給料が落ちてしまっているので、悪くはないのですが、すごくいいとも言えない。

天下りもなくなり退職後の高収入も期待できない、労働条件が悪すぎる

佐々木)昔は国家公務員と言うと、東大などを出ているようなエリートが総合職として入ったのです。一般企業に行ったり、起業するよりも給料は安いのだけれど、国を背負っているという責任感が持てる。また、いずれ定年退職したあとには、天下りなどでいい収入が確保されるというおこぼれもあったのです。それで目指す人も多かった。

飯田)昔は。

佐々木)10年〜20年前から天下りをしてはいけないと言われて、いまはできなくなってきています。実利的なところでは、退職後の高収入が期待できない。国を背負っている使命感はいまもあるのだけれど、あまりにも労働条件が酷すぎる。しかも、純粋にやらなければいけない業務が大変で時間外労働が多いならまだいいのですが、国会対応などがやたらと多く、国会会期中は野党議員がなかなか質問書を出してくれずに深夜まで待つというような、無駄な労働があまりにも多い。

使命感さえも持てなくなり、東大卒で国家公務員総合職を目指す人が減少 〜構造的な問題を変えなければならない

佐々木)「徐々に使命感さえも持てなくなってきている」という現状です。かつては東大卒が多かったのですが、東大卒で国家公務員総合職を目指す人が減ってきている問題があります。年々倍率も下がってきているようです。

飯田)構造的な問題を変えなければいけないということですよね。

佐々木)官僚の優秀さは国の根幹ですからね。ここが失われたら日本は終わりです。

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