「ゴーン被告のときと似ている」東京五輪汚職事件をめぐる検察の手法を辛坊治郎が指摘

キャスターの辛坊治郎が8月22日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件について、「検察側の世論誘導は、ゴーン被告のときと似ている」と持論を展開した。

(左)弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=2019年4月3日午後 / (右)自宅を出るために車に乗り込む東京五輪パラ組織委・高橋治之元理事=2022年7月27日午前 ともに写真提供:産経新聞社

東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で紳士服大手「AOKIホールディングス」から賄賂を受領したとして逮捕された大会組織委員会の元理事、高橋治之容疑者が他のスポンサー企業も仲介したとみられることが21日、分かった。東京地検特捜部は、高橋容疑者が複数社のスポンサー選定に関与した経緯や理事としての職務実態を調べている。

辛坊)高橋容疑者のことを「とんでもない人間だ」という印象を持っている方はすごく多いと思います。そう思うように、しっかりと世論誘導が済んでいますからね。「権力をかさに着て、ものすごい額の賄賂をもらって、悪さをして…」という印象を持ちの方が多いのでしょう。実際に、それに近いことをやっていたのだと思いますよ。だから、それについて指弾されるのは仕方がないとは言いながら、何回も申し上げていますが、世論誘導も含めて、あまりにも検察のストーリー通りに、見事に行われているという感じがしますね。

弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=2019年4月3日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

今回とよく似ていると思ったことがあります。金融商品取引法違反罪などに問われた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の逮捕のときです。検察は一部のメディアに先行して情報を流し、こんなに悪いことをしていたんだという情報を伝えていました。しかし今回も同じですが、本人が完全否認しているんですよ

ゴーン被告は途中で国外へ逃亡してしまいましたが、最後まで裁判をしていたら、どうなっていたでしょうね。実は、ゴーン被告と同時に逮捕された外国人がいるのですが、判決では起訴内容のほとんどが無罪になっています。「相当悪いことをしていたよな」という印象がついているはずなんですけれどもね。

検察が起訴した犯罪に関しては日本では99.9%有罪になります。日本の裁判所は検察の起訴の追認機関みたいなことになっているんです。検察が起訴したのに有罪にしないと、裁判官の出世にも響くわけですよ。一方で、今回とゴーン被告のケースが非常に似ていると思って調べてみたら、捜査を指揮しているのはどうやら同じ検察官のようですね。やり方が非常によく似ています。

自宅を出るために車に乗り込む東京五輪パラ組織委・高橋治之元理事=2022年7月27日午前、東京都世田谷区 写真提供:産経新聞社

私としても、高橋容疑者は五輪に関して「かなり無茶なことをして私腹を肥やしていたんじゃないか」という印象は報道の通りに持ってはいます。けれども、有罪か無罪かというとボーダーラインだという感じがしていますね。似たようなことはたぶん多くの人がやっていて、高橋容疑者だけを立件するのは社会的公平性という観点からはどうなのかという印象が素朴にあります。大会組織委員会はスポンサー選定を電通に丸投げしていたわけですから、大会組織委員会の人たちはあまりにも無責任です。

五輪が商業化したきっかけは1984年ロサンゼルス大会です。それ以前の五輪は、各国が国威発揚のために赤字を覚悟で開催する国家的なプロジェクトでした。しかし、ロサンゼルス大会ではスポンサーを集めて儲かる商売に仕立ててしまったんですね。私はメスを入れるべきは五輪がここまで商業化してしまっていることだと考えています。東京五輪に関しても、国際的なスポーツのあり方として商業化の実態に目線がいくべきです。しかし、高橋容疑者が私腹を肥やすために五輪を利用したというふうに矮小化されてしまっています。

私は、ゴーン被告が逮捕された際にも似たような感想を持っていました。ゴーン被告が経営者として、さまざまな人たちから恨みを買ったのは間違いないのだろうけれども、ゴーン被告を検察に売り渡した日本人経営者は司法取引みたいな形でゴーン被告に関しての情報を流す代わりに、「自分は逮捕しないでね」という闇取引をしたわけですよ。それは不公平ではないかということも含めて、今回の事件も連日報道されていることだけを見ていたのでは問題の本質は分からないということは言っておきたいと思います。

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