「政教分離とは何なのか」を整理する必要がある 旧統一教会問題

日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が9月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。旧統一教会の問題と10月3日に召集される臨時国会について解説した。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)日本本部(東京都渋谷区) 2022年7月20日  JIJI PRESS PHOTO / MORIO TAGA 写真提供:時事通信社

臨時国会の会期

政府・与党は9月28日、10月3日に招集する臨時国会の会期を12月10日までの69日間とする方針を決め、野党と合意した。また、旧統一教会との関係が指摘されている細田衆議院議長は野党側の求めに応じ、説明を行う見通し。

飯田)自民党幹部によれば、「書面でコメントを公表する予定」という報道もあります。やらなければならないことはたくさんあるけれど、というところですか?

「政教分離とは何なのか」を整理する必要がある ~世界レベルでは政党と宗教団体は結びついている

秋田)整理した方がいいと思うのは、「政教分離とは何なのか」ということです。私の理解だと政教分離とは、「統治機構である政府は宗教に手を出してはいけない」ということです。宗教的な考えに基づいて統治してはいけないので、それを政教分離と言っているのだと思います。

飯田)政教分離とは。

秋田)でも政党と宗教団体が結びついていないかと言えば、世界レベルで見ると、例えばアメリカはまさに大統領選でキリスト教右派のエバンジェリカルなど……。

飯田)福音派。

秋田)全面的に共和党を支援していますし、ドイツでは与党の名前に「キリスト教」と付いています。

飯田)そうですね。以前、メルケルさんが率いていた与党は「キリスト教民主同盟」でした。

秋田)「政党」と宗教団体が結びつくケースは珍しくありません。しかし、「政府」が宗教団体と結び付いてはいけないという意味で、いまの議論はそういう観点から仕分けする必要があるのではないでしょうか。

飯田)政府・与党でも一体として議論しているところがあるけれど、きちんと区分けしなければならない。

秋田)そうですね。

旧統一教会という「問題を抱えているとされる団体と政治家との関係」という社会問題

秋田)いま問題になっているのは、自民党や野党などの「党」が宗教団体と密接な関係にあるということと、それ以上に、旧統一教会が行ってきたいろいろな行為が問題なのです。そういう問題がまったくない宗教団体が、自民党や他の政党と結びついているのとは、また意味が違うのだと思います。

飯田)旧統一教会では、かつて霊感商法が問題になった。いまは霊感商法より献金の部分だと言われますが、この辺りをどう救済し、防いでいくかという話と、「祝電を送っただけでもダメだ」という踏み絵を踏ませるような考え方は、また別だということですね。

秋田)政党と宗教団体の関係を、もう1回きちんと精査しなければならないという問題も孕んでいると思います。しかし、それ以上に、旧統一教会という「問題を抱えているとされる団体と政治家との関係」という社会問題なのです。政教分離の面もあるのでしょうが、社会問題であるというような捉え方が必要なのかなと思います。

中国との防衛費の差をいまのうちに何とかしなければならない

飯田)補正予算の話や、年末に向けては政府の安全保障に関する3文書、特に国家安全保障戦略等々の改定もあります。本来であれば、この辺りも議論の俎上に載せられるべきものですか?

秋田)そうですね。まさに国家安全保障戦略は9年ぶりに改定するわけです。

飯田)策定されたのは2013年でした。

秋田)日中のGDPがほぼ同等だった時期につくられたものです。そこから環境が激変したので、どのように改定するのか、本来であれば国会でも議論するべきです。

飯田)パワーバランスを考える上では、防衛費の話もあります。GDPもそうですけれど、ここが相当開いてしまったわけですよね。

秋田)日本の防衛費と中国の国防予算は3倍以上の開きがあります。1年間で3倍開いているということは、実額で言えば3倍の開きがあるわけですから、加速度的に開いていってしまうということです。

飯田)その開きが。

秋田)繰り返しになりますが、日本は中国から見れば、もはや対等ではない力関係だと思われていても仕方ありません。ただ、完全にそうなっていないのは、日本には日米同盟があるからです。中国は自衛隊と中国軍というバランスで見ているのではなく、「米軍と自衛隊」と中国軍のバランスで見ているので、そこは対等ないし、まだバランスが取れている。

飯田)だから、いまのうちに何とかしなければいけない。

秋田)そういうことだと思います。

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