中国が外国企業の参入規制緩和〜あくまで米国に対するポーズか

ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(3月29日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。中国の外国企業参入規制緩和について解説した。

李克強は英中貿易協会の晩餐会に出席(2011年1月)(李克強 – Wikipediaより)

李克強首相が外国企業の市場参入規制緩和に言及

中国の李克強首相は28日、海南省で開かれているボアオアジアフォーラムの年次総会の演説で、外国企業に対する市場参入規制を更に緩和すると述べた。外資の銀行や証券、保険会社の金融サービスについては市場への参入規制を緩和する方針を表明し、電信や医療、交通、インフラ、エネルギーなどの分野でも開放を進めるとしている。

飯田)このボアオアジアフォーラム、アジア版のダボス会議なんて言われ方をしたりしますけれども。

宮家)私も北京に居たときに第一回ボアオアジアフォーラムに行きました。「規制をさらに緩和する」なんて、よく言うよと思います。まだ緩和する余地があるということは、まだまだ規制しているということではないですか。

飯田)確かにそうですね。

宮家)日本なんて緩和する余地はほとんどないですよ。すでに緩和しているのだから。しかも外資の証券や保険会社やら、中国がやるべきことはいっぱいある。やれるものならやってみろと思いますね。本当にやったら中国共産党は潰れますよ。これはアメリカの攻勢が厳しいことに対する中国の情報戦です。「ちゃんとやっているぞ」と言うのはけっこうだけれど、「本当に、ちゃんとやってね」と思います。やるときは実行性のある担保をしてもらわないといけないのです。違反したら厳しい罰則をかけるとかね。やりたい放題やられてはたまりませんから。言う以上はやってくださいという時代に来ているのではないですかね。


このままではいずれ行き詰まる中国経済

宮家)これは中国にとっては正しいことです。日本もそうやって国際化の流れに乗って行ったわけで、中国がいままで通り閉鎖的なことをやっていたら、中国経済はいずれ行き詰まりますよ。改革をやらなくてはいけないことは、彼らもわかっているのだけれど、やると政治的に難しくなるから、そのジレンマで悩んで小出しにしている。中国国内でも一部には「やらなければいけない」とわかっている人はいますから。私はそこには期待していますが、政治レベルの判断でどこまで行くか。リップサービスだけでは困りますね、ということです。

飯田)中国に進出している企業は、合弁でやらなければいけないし、向こうで儲けたとしても、そのお金を中国で再投資するならいいけれど、日本に持って来ようとするとかなり規制がかかる。

宮家)規制は減ったのだと言いますが、実際には必ずしもそうでもないようですね。そんなもの自由にやったら、日本企業は真面目にやりますが、他の企業ないし中国人は、中国経済が危ないと思ったら自分のお金は全部外貨にして国外に出てしまいます。中国政府はそれが怖いから規制せざるを得ない。そういう構造的な問題を抱えているのです。中国で商売をやって行くのは日本企業も大変だと思う。それに強制的技術移転の問題もある。それはもう禁止すると言っていますが、本当に無くさなくてはダメですよということです。実際に無くなるかどうかはわかりませんけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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