EUから合意なき離脱の場合〜イギリスの建築土木現場はどうなるか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月1日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。英議会が3度目のEU離脱法案を否決し、合意なき離脱の可能性が高まったイギリスの今後について解説した。

ロンドンの英議会下院で欧州連合(EU)離脱修正案が否決された後、発言するメイ首相(イギリス・ロンドン)=2019年3月12日 写真提供:時事通信

イギリスのEU離脱協定案、3度目の否決

イギリスの下院定数650は29日、EUから抜ける条件を定めた離脱協定案を採決し、反対多数で3度目の否決となった。メイ首相は可決されれば辞任すると表明し、指示を呼び掛けていたが、捨て身の作戦実らずということになった。

飯田)切り札を切ってしまった後はどうするのですかね。

須田)何も決めないままの離脱になりかねないということです。そうなったときにどういうリスクが発生するのか、その辺りのリスク計量を始めなければいけないのではないかと思います。

飯田)合意無き離脱の場合は4月12日だから、もう2週間もないということですよね。

須田)現実問題としてその可能性は非常に高まって来たのではないかと思います。ただその一方で、アメリカサイドがEU離脱後のイギリスに対してFTAを結ぶ用意があるということを言い出したり、日本もTPP11にイギリスを加盟させたらどうかというような、環太平洋経済連携協定ですからヨーロッパの国でなじむのかなじまないのかという問題はありますけれど、そういうEU以外の国々の戦略的な動きも出て来た。そのなかでイギリスがどういうモデルを描いて行くのかが、注目するところになります。

飯田)かつては外交巧者イギリスという感じがありましたけれど。外交をEUに委ねてしまっていた部分があるだけに、いまどこまでノウハウが残っているのか分からないみたいですね。


合意なきEU離脱後は建築土木現場で働く人手の確保ができなくなる

須田)日本における人手不足の問題も関連しますが、イギリスにおいてもロンドンシティの人口の内、半分以上が外国人なのです。

飯田)半分以上なのですね。

須田)純粋なイギリス人は半分以下になってしまっている。外国人の内、4割がポーランド系です。彼らは建設土木現場で働く労働者なのです。イギリス人はそういうところで働かないし、労働者、ブルーカラーの人たちもそういうところでは働きたくないと、すべて委ねていた。それはある種、EUという枠組みのなかで労働者を受け入れられたからできた話であって、彼らは現状でイギリスから出国している人も出て来ているし、EUから合意無き離脱をしてしまったら、出て行かざるを得ないのです。それはそれでよしとしても、ではロンドンの、イギリスの建設土木現場はどうするのかという問題も発生して来るわけなのですね。

飯田)そこまで考えて国民投票をやったのかと言うと、必ずしもそうでは無かったと。

須田)全く考えていなかったですよね。

飯田)国民投票、直接的民主主義は理想のように描かれますけれど、やはり少しあぶないところもあったのかなと思いますよね。

須田)そうですね。民主主義は時間がかかるとも言いますけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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